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プラクティス1から積極的に走行したパロウ Photo:Penske Entertainment |
去年から路面グリップが大きくダウン! 原因は路面の劣化か?
去年のラグナ・セカでのプラクティス1最速は、スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)による01分07秒6325だった。今日行われた今年最初のプラクティスでは、1分09秒2069がベストだった。グループ・セッションが設けられてレッド・タイヤで思い切り走れる時間が与えられ、去年はまだ導入されていなかったハイブリッド・パワーも使えるというのに、去年より2秒も遅い。なぜか? それは路面の劣化でグリップ・レヴェルが落ちているかららしい。ハイブリッド・システム搭載でマシンが重くなったから……ではなく。ラグナ・セカのあるカリフォルニア州モンテレイは、サン・フランシスコの南西60マイルほどの太平洋岸の街。雪が降るほど寒くなるエリアではない。舗装に使われたアスファルトのクォリティでも悪かったんだろうか…………舗装し直してから1年経った去年の時点で、ドライヴァーたちはすでにグリップが大きくダウンしているのを感じていたようだ(PPは1分06秒6416)。
強烈なカラースキームで登場したローゼンクヴィスト Photo:Penske Entertainment
この日の最速ラップはオーワード
ただしグループセッション赤旗の影響でアタックの機会を逃したドライバーも
因みに、今日の最速ラップを叩き出したのはパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)だった。トロントで2勝目を挙げて勢づくメヒカーノがラグナ・セカでも好調…………なのかはわからない。全車セッションで2番時計だったのだから、不調でないのは確かだが、グループ2はセッション後半の肝心なタイミングで珍しくもスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)がスピン!
赤旗が出されて多くの陣営がレッド・タイヤでのアタックを十分に行えなくなってしまった。グリーンのままセッションが続いていたら、赤旗前に1分09秒3173をマークしていたコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)がオーワードのタイムを上回っていたかもしれず、他にもフライング・ラップのチャンスを得られなかったドライヴァーは多く、彼らが上位に出て来る可能性は十分にある。
パロウ、全車セッションで1分10秒台をただ一人2回マーク
金曜日のラグナ・セカでのプラクティスは、西海岸での開催とあって、いつもより少し早めの午後2時スタートだった。空は快晴だが、気温は19℃しかなかった。路面温度は48℃。
最初は全員が一斉に走る40分間のセッション。
ここで最速ラップを出したのはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)だった。普段は路面コンディションが良くなるのを待って、出場27台の中でも最後の方にコース・インするパロウが、今日はいつもより明らかに早い、走行開始11分半でコースへ出て行った。今日の最後のコース・インは、鮮烈なスペシャル・カラーリングを出し惜しんだ(?)フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)で、パロウより5分も後だった。
去年のラグナ・セカでポール・トゥ・ウィンを記録しているパロウは、一昨年が3位、2022年が優勝で、その前の年は2位と、出場した4回すべてで表彰台に上って来ている。今年も彼の強さに変わりがないだろうことは、今日の最初のセッションで明らかになった。ブラックで本格走行を始めて4周目(セッション内のトータルでは5周目)、彼は1分10秒1701のベスト・ラップをマークした。そのまま走り続けた彼は、6周目(セッション内7周目)にも1分10秒3806という好タイムを出した。このセッションで1分10秒台のラップを2周以上記録したのはパロウだけだったはずだ。
オーワード、全車セッション2番手タイム、3番手はローゼンクヴィスト
全車セッションでの2番手はオーワード=1分10秒3418。パロウとの差は0.1717秒。3番手はローゼンクヴィスト=1分10秒5550。4番手はクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)=1分10秒7463。5番手はデイヴィッド・マルーカス(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)=1分10秒8961。
6〜10番手は以下の通り。マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)=1分10秒9084。コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)=1分11秒0064。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=1分11秒0286。ノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)=1分11秒0907。
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ニューガーデン、コースアウト Photo:Penske Entertainment |
チーム・ペンスキー/シヴォレーは3人ともトップ10入りならず。ラグナ・セカでも苦境に変わりはない。ジョセフ・ニューガーデンによる14番手(=1分11秒2512)がチームのトップ。マクロクリンは17番手(=1分11秒3472)で、パワーは18番手(=1分11秒5892)だった。
ハータ、グループ2最速!
グループ・セッションは12分間ずつ。
先に走ったグループでは、前述の通りオーワードが最速だった(=1分09秒2069)。2番手はアームストロング=(=1分09秒3174)。3番手はパロウ(=1分09秒3679)。
4番手にカルーム・アイロット(プレマ・レーシング/シヴォレー)が1分09秒6735でつけ、5番手はラスムッセンの1分09秒6736だった。マクロクリンは15人しか走っていないセッションで10番手。
グループ2ではハータが最速(=1分09秒367)。2番手はローゼンクヴィスト(=1分09秒9132)で、3番手はルーキーのルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)の1分09秒9877だった。同じく15人が走ったセッションとなっていたが、パワーは7番手(=1分10秒4472)。ニューガーデンはセッション終盤にスピンし、12番手(=1分11秒7495)のタイムを出すにとどまった。ディクソンもコース・オフがあってレッドでのアタックをまとめ上げられず、13番手に終わった。
「舗装が変わる前のラグナ・セカの感じに戻って得来ている」
全車で7番手、グループ2でトップだったハータは、「マシンはとても良いフィーリングだった。もっと良いタイムを出せた。自分がマシンの力を全部引き出せていなかった。そういう状況でトップに近いポジションにつけているんだから、気分はとても良い。マシンが速いから、僕はハッピー。ただし、ずっと良い成績を出せて来れているからといって、今年もそうなるはずだ、と傲慢に構えているわけにはいかない。インディーカーの競争は極めて熾烈だ。今日走ってみて、僕らは速い部類に入っていた。それは嬉しいこと。実際にマシンの動きも良かったと思う。ただ、コースは常に向上し、変化して行くものだから。今年のコースは、去年とは驚くほと違う感覚になっている。それは非常に興味深いこと。そして、毎年違っていることは、とても楽しいことでもある。舗装が変わる前のラグナ・セカの感じに戻って来ている。明日、明後日とコンディションがそこまで大きく変わることはないと思う。それでも、レースでのオーヴァーテイクは結構多くなりそうだ」と話していた。
明日のプラクティス2は朝8時半のスタート!
予選は11時35分から。プラクティスの気温は15℃ほどと、かなり寒い中でのセッションとなりそう。予選は今日と変わらないコンディションが見込まれている。
以上
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