2025年8月21日木曜日

2025 INDYCAR レポート R16 スナップ₋オン・ミルウォーキー・マイル 250 プレヴュー 後編:今シーズン、ここまでのショート・オーヴァル3戦では、3チーム、3人のドライヴァーが優勝! タイトルを逃したオーワードの走りに注目

 

Photo:Penske Entertainment

今年のミルウォーキーの路面はタイヤにさらに厳しくなっているのか?

 

 2024年のダブルヘダーにおいて、ミルウォーキーの路面はタイヤに対して厳しかった。9月のはじめのレイバー・デイ・ウィークエンドとしては珍しいぐらいに両日とも涼しいコンディションだったというのに。今年はどうなるか?

  また一冬を越えて、コース舗装が傷んでグリップが低くなっている可能性は考えられる。タイヤのスペックはまた新たなものとされるのか? 気温や路面温度はどのぐらいになるのか?? これらの要素はレース・ウィークエンドになってみないとわからない。タイヤのスペック変更(調整?)は、やや頻度が高過ぎると思う。

 今年のこれまでのショート・オーヴァル戦績を振り返る。

ゲイトウェイ予選

PP パワー

2位 マクロクリン(またもペンスキーの1−2じゃないか!)

3位 オーワード

4位 マルーカス

5位 ニューガーデン

6位 マーカス・アームストロング


アイオワ(ダブルヘダー)予選

レース1

PP ニューガーデン

2位 デイリー

3位 フェリックス・ローゼンクヴィスト

4位 パロウ

5位 オーワード

6位 ディクソン


レース2

PP パロウ

2位 ローゼンクヴィスト

3位 デイヴィッド・マルーカス

4位 ニューガーデン

5位 ノーラン・シーゲル

6位 パワー


 3戦とも予選でトップ6入りしたのはニューガーデンのみ。3戦で2回はパワー、オーワード、マルーカス、ローゼンクヴィスト、パロウの5人。チーム別だとペンスキーの合計6回で最多。次がマクラーレン、ガナッシ、メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアンの3回。フォイトも2回と奮闘。


ゲイトウェイ決勝

優勝 カイル・カークウッド(キャリア初オーヴァル優勝)

2位 オーワード

3位 クリスチャン・ラスムッセン(キャリア初表彰台)

4位 ディクソン

5位 フェルッチ

6位 デイリー


アイオワ1決勝

優勝 オーワード

2位 ニューガーデン

3位 パワー

4位 マクロクリン

5位 パロウ

6位 ラスムッセン


アイオワ2決勝

優勝 パロウ(キャリア初ショート・オーヴァル優勝)

2位 ディクソン

3位 アームストロング

4位 マルーカス

5位 オーワード

6位 ルンドガールド


 3レースで3チーム=3人のドライヴァーが優勝した。


今週末のミルウォーキーで注目すべきは?

 今年のショート・オーヴァル3戦全てでトップ6入りしたのは、オーワードただひとり。優勝1回、2位1回、5位1回とそのパフォーマンスは圧倒的だ。チャンピオンの目はなくなったが、ミルウォーキーでは、去年もレース1で勝っているオーワードが優勝候補のナンバー・ワンだ。

 ただし、自身のキャリア・ベストとなるランキング2位も目標としているオーワードは、元々リアリスト的レーシング・スタイルだから、大きなリスクは冒さない。そんな彼と対極にあるアグレッシヴなレースを戦いそうなのが、初勝利が喉から手が出るほど欲しいデイリー、フェルッチ、ラスムッセンだ。彼らほど過激な走りはしないだろうが、マルーカスにも初優勝のチャンスあり。ラスムッセンのチームメイト、アレクサンダー・ロッシも興味深い存在。

 ペンスキーのトリオはどうだろうか?

3人とも去年のミルウォーキーでは速さを見せた。パワーはポートランドで勝ったばかりで勢いもある。しかし、マクロクリンとニューガーデンは不運などもあり、近頃のパフォーマンスは振るわない。ガナッシは、パロウとディクソンに當然、優勝のチャンスあり。

 去年のレース2予選で3位、今年のアイオワでのレース2でオーヴァル初表彰台となる3位フィニッシュをしたマーカス・アームストロングも要チェック。

 ルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)とロバート・シュウォーツマン(プレマ・レーシング/シヴォレー)のルーキー・オヴ・ザ・イヤー争いも熾烈。残りはオーヴァル2戦という点で、インディーNXTを2シーズン戦い、2024年にチャンピオンとなっているフォスターが有利だろうが、どちらもここまでリタイアが多いので、フォスターの6点リードなんて無いに等しい。また、インディーカーにはエントラント・ランキング22位までがリーダー・サークル・マネー=1.2ミリオン・ダラーを手にできるシステムがあり、そのポジション争いも実は熾烈。ポートランド終了時点でのランキング下位は以下の通りだった。


P19  フンコス・ホリンジャー・レーシング #76(デイリー)

P20 アンドレッティ・グローバル #28(エリクソン)

P21 アロウ・マクラーレン #6(シーゲル)

P22 プレマ・レーシング #90(カルーム・アイロット) *ノン・チャーター・チーム

P23 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング #45 (フォスター)

P24 プレマ・レーシング #83(シュウォーツマン) *ノン・チャーター

P25 フンコス・ホリンジャー・レーシング  #77 (スティング・レイ・ロブ)

P26 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング #30(デヴリン・デフランチェスコ)

P27 デイル・コイン・レーシング #51 (ジェイコブ・エイベル)


 リヌス・ヴィーケイの活躍により、デイル・コイン・レーシングは1台分のリーダーズ・サークル・マネーを2026年は手にできそう。今年もらっていて来年それを失いそうなのは、現在の状況だとレイホールのカー・ナンバー30。


*)現在シリーズに出場中でノン・チャーターのチームはプレマのみで、彼らにはリーサー・サークル・マネーの支給を受け取る権利がない。

以上


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