2011年5月3日火曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント26:R4サンパウロ Race Day 決勝2・リードラップ23周も、チーム戦略ミスで目前の優勝を逃す「リードしても燃費をセーブする走りができていただけに、ものすごく残念です」

第4戦 イタイパバ・サンパウロ・インディ300
Round 4 Itaipava Sao Pauro Indy 300

Streets of Sao Pauro
ストリート・オブ・サンパウロ
ブラジル サンパウロ州
全長:2.536マイル(=約4.081km)×55周
コースタイプ:ストリート

Race Day 5月2日
決勝 8位フィニッシュ 2時間04分28秒3647(23秒0683遅れ)
天候:雨
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
ゴール前3周、優勝目前で無念のピットイン

 佐藤琢磨はトップを堂々と走り続けた。ペンスキーの2台をパスし、レースを完全にコントロール下に置いていた。しかし、勝利を目前にしてチームが浮き足立ってしまった。絶妙のタイミングで出たフルコースコーションで、給油をしないギャンブル作戦に出たのだ。後方集団を走っているチームが採るべき作戦だ。レースを支配していたチームが選ぶ作戦ではなかった。案の定、この作戦は裏目に出た。琢磨は給油を行うためにゴール前3周でピットイン。勝利はウィル・パワーとチーム・ペンスキーの元へと逃げて行った。失意の琢磨は8位でゴールした。今季2度目のシングルフィニッシュだが、優勝が見えていたレースだけに、悔し過ぎる結果となった。
朝9時5分、決勝2日目3番手からスタート。この時点ではドライでタイヤはレッド。
26周目(決勝再スタート後11周目)についにトップに立つ。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)

Jack Amano:(以下――)レース序盤にペンスキーを2台パス。最速の存在としてレースを悠々とリードしましたね。

佐藤琢磨:3番手という好位置からスタートできて、落ち着いてレースを進めることもできていました。混乱も全然なく、少しずつ手応えをつかみながら走ってました。

――リスタートではウィル・パワーをアウトからパスしました。

佐藤琢磨:昨日初めてインディカーでウェットコンディションを走って、すごくよく自分の中で理解ができて、自信もあった。自分の中では何のリスクも負わずに、すべてコントロールしていました。トップに立ってからも、すぐに燃料をセーブする走りに切り替えて、後ろとのギャップを見ながらコントロールできていたと思います。そのあたり、非常に最終的な結果は残念です。

――1回フルコース・コーションが出れば無給油でゴールできた。チームはそういう作戦に出た。

佐藤琢磨:今日は燃費セーブもものすごくセーブして走れてました。ペースを落としても、後ろとの距離を見て、それを保つようにしていたんです。しっかりと燃料セーブをしながら完璧なレース運びができていたと思うんです。それだけにね……うーん、チームはなんでギャンブルに出たのかな。わかんないですね。イエローコーションなしだと生き残れないという作戦……まわりの力を必要としないで、自分たちでゴールできる状態を作るべきでしたよね。燃料をちゃんと入れておくっていうのは絶対だったと思います。今日の表彰台に立った3人は、すべてそういうストラテジーだったでしょう? 僕らが同じ作戦とできなかったのは非常に残念です。ギリギリまで燃料セーブをしてましたけど、3周分ぐらい足りなかったのかな。非常に悔しいです。

――トップを走っていたのステイアウトの作戦は意外でしたね。

佐藤琢磨:10番手とかにいて、前が入ることで自分がトップグループにポジションアップできるなら、そこでイエローを待つっていう作戦もアリだと思うんです。順位から考えて、そういうリスクを負うというか、ギャンブルをする意味がありますよね。でも、トップを走っているのだったら、そんなことをする必要はまったくない。今、僕はそう思います。ドライビングをしている状況では、そういう情報をまったくもらえてなかったので、チームの指示通りに今日は走っていました。

――今日は圧倒的な速さを誇っていましたね。

佐藤琢磨:すべてを今日のコンディションに合わせてマネージングできていましたよね。そういう意味ではクルーは本当に素晴らしい仕事をしてくれました。

――パワー以下を4秒以上も離して走っていたのに……。

佐藤琢磨:ウィルのクルマが速いのはわかっていたので、スリップに入られない距離まで1回離そうと考えて、そのとおりにできていました。彼らがピットに入ってからは、後ろを見ながら極限まで燃料をセーブする走りをしてました。

――レース中は路面の変化もあって大変だったと思います。

佐藤琢磨:雨量は大分変化していたので、それによってドライビングを多少変えていました。そのあたりは、僕自身は楽しく運転ができていて、本当に残念です。

――ファイアストンのレインタイヤにも慣れましたね?

佐藤琢磨:初めて使ったわりにはちゃんと走れたので、ホッとしています。

――それにしても本当に悔しいレースでした。しかし、改めて実力の高さを証明したという面もあり
ますよね?

佐藤琢磨:そうですね。ここからシッカリと反省点を見直して、次のレースに繋げたいです。

――次はインディ500です。

佐藤琢磨:オーバルでの戦いが始まりますから、そちらでまた頑張りたいと思います。今日は応援ありがとうございました。

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