2012年8月31日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー R14 グランプリ・オフ・ボルティモア 後方グリッドからの上位入賞も可能! 佐藤琢磨、初優勝にアタック!  

ボルティモアは「東のロングビーチGP」
コースも改修され、オーバーテイクのチャンスも広がる


 夏の終わりを告げるレイバー・デイ・ウィークエンド、インディーカー・シリーズはアメリカ東部の大都市ボルティモアのダウンタウンで第14戦を開催する。
 歴史ある街の真ん中で行われるインディーカー・レースは、今年で2回目。初年度だった昨年は大盛況で、「東のロングビーチGP」と呼ばれるイベントに成長する将来性が感じられた。
 今年はボルティモアでのレースがよりエキサイティングなものとなるよう、コースのレイアウトが変更される。最終ターンのシケインが排除され、ターン1までの距離が伸ばされる。そして、右直角に曲がるターン1も広くされた。これらのコンビネーションでオーバーテイクのチャンスは大きくなる。ターン5、ターン6も形状変更され、パスのチャンスが増やされた。


昨年はウィル・パワーがポールポジションから圧勝

 去年のレースでは、ポールポジションからウィル・パワーが最多リード・ラップとともに優勝を飾った。シリーズのレコードタイとなるシーズン6勝目だった(それでもタイトルを逃したワケだが……)。
 2位はオリオール・セルビア(14番グリッドから)、3位はトニー・カナーン(27番手スタート!)のものとなった。スマートな作戦と走りによって、彼らベテランたちのように、後方グリッドかスタートでも上位入賞は十分に可能。それがボルティモアでのレースということだ。
 昨年の佐藤琢磨は、26番手からスタートして最終ラップまでに6位まで躍進する目覚ましい戦いぶりを見せていた。しかし、ゴールを目前にして彼はコンクリートウォールに接触し、17位。トップ5入りを目指して攻めの走りを続けた結果だった。


白熱するチャンピオン争いはパワーvsハンター-レイに集約されるか?

 今年最後のストリートレースはいったいどんな戦いとなるのか? 今シーズンのテンポラリー・サーキット6戦を振り返ると、予選でポールを獲得しているのは、ウィル・パワー(セント・ピータースバーグ、サン・パウロの2回)、ライアン・ブリスコー(ロング・ビーチ)、スコット・ディクソン(デトロイト)、ダリオ・フランキッティ(トロント)、ライアン・ハンター-レイ(エドモントン)で、優勝はエリオ・カストロネベス(セント・ピータースバーグ、エドモントン)とパワー(ロング・ビーチ、サン・パウロ)が2勝ずつ。ディクソン(デトロイト)、ハンター-レイ(トロント)が1勝。やはり、ポイントリーダーで、ソノマでマリオ・アンドレッティ・トロフィー獲得を決定したパワーがデータ的にも明確に有利だ。彼は昨年のボルティモア・ウィナーでもある。
 優勝以外のポディウムフィニッシャーも見て行くと、ハンター-レイ、シモン・パジェノー、佐藤琢磨の3人がそれぞれ2回ずつ。1回組はパワー、ディクソン、ダリオ・フランキッティ、ジェイムズ・ヒンチクリフ、チャーリー・キンボール、マイク・コンウェイが1回ずつ。ポイント2位のハンター-レイはボルティモアでも良さそうだ。今年のチャンピオン争いは、最終的にパワーvsハンター-レイというところに落ち着くのだろうか?
 ルーキー王者の座をソノマで決めたパジェノーも、ストリートでの成績が素晴らしい。ルーキーとは思えない速さと安定感が彼にはある。シュミット・ハミルトン・モータースポーツのチームとしてのパフォーマンスも高いということだ。


佐藤琢磨、初優勝に向け大きなチャンス!

 そして、琢磨がボルティモアで速いであろうこともデータは裏付けている。キャリア初勝利を目指す琢磨としては、去年も良い走りを実現していたボルティモアには大きな期待と意気込みとともにアタックする。
 チャンピオン争いでは、パワーがポイントリードをさらに広げるのか? それともハンター-レイ、カストロネベス、ディクソンといった面々が彼との差を縮めるのか? 彼らのポイント・バトルはかなり白熱している。
 なお、ソノマでのセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)とのアクシデントで左手人差し指を骨折したルーキーのジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)はボルティモア戦を欠場。代役にはアメリカン・ル・マン・シリーズへのレース参戦でボルティモア入りするブルーノ・ジュンケイラが起用されることになった。

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