2012年8月31日金曜日

2012 INDYCAR ルーベンス・バリケロ インタビュー :ソノマでベストリザルトとなる4位フィニッシュを達成!来シーズンのチーム移籍も噂されているF1出身実力派がインディーカー1年目を語る

「ファスト6進出や、表彰台はこまでに何度もできていると思っていた」
 フォーミュラ1で11勝の実績を持つドライバー、ルーベンス・バリケロのインディーカー・シリーズ参戦は、今年の大きな話題のひとつだった。しかし、326グランプリ出場の経験を持ってしても、インディーカーでは驚くほどの苦戦を強いられて来ている。彼自身、そのパフォーマンスの低さには衝撃を受けており、「シーズンがここまで進むまでに、ファイアストン・ファスト6への進出や、レースでの表彰台登壇は何度も実現できていると思っていた」とミド‐オハイオでは語っていた。
 第12戦までの予選でのベストグリッドはミルウォーキーでの5位で、10位はインディー500とエドモントンの2回があるが、シングルグリッドは僅かに1回だけ。決勝ではさすがのしぶとさ、クレバーさを見せていて、アイオワで7位(第12戦まででのキャリア・ベスト)、バーバーで8位、ロングビーチで9位、サンパウロとミルウォーキーで10位フィニッシュを果たしているが……。
 バリケロのパフォーマンスは、彼のインディーカーへの順応能力が低いからではなく、KVレーシングというチームの実力の低さが最も大きな要因となっている。チームメイトのトニー・カナーンは5回ものトップ5フィニッシュを記録して来ているが、それは彼のシリーズトップを誇る経験量に頼るところが極めて大きい。

「まだ、望むマシンバランスをバッチリ得られたことがない」

 バリケロのインディーカー入りは、幼なじみにして親友のTKが尽力して実現したが、そのTKが自分のピットにチーム内ベストのスタッフをかき集めているため、3番目のドライバーとして開幕直前にチーム入りしたバリケロには、元々薄味のチームの、更に薄い部分しかあてがわれて来ていない。KVの作戦力の弱さは業界では良く知られたところで、バリケロの好走を台無しにしたレースは今シーズン何度も見られて来ている。救いは、シーズン途中にアンドレッティ・オートスポートから優勝経験を持つエンジニアのエディ・ジョーンズを引き抜き、彼のレース担当につけてもらったところぐらいだ。
 ソノマでのバリケロは、予選11位から4位でゴールした。表彰台には手が届かなかったが、予選からレースまで、今シーズン最もコンスタントに上位で戦い続けることのできた週末になっていたのだ。

 「今回のマシンはソリッドなものにできていた。まだスピードではライバル勢に劣っている。ダリオ・フランキッティ、そしてその前を走っていた2台のペンスキーのマシンは、リスタートで僕を一気に置いて行った」とバリケロはレース後に語った。
 今シーズンのここまでの苦悩について、バリケロはソノマでのレース後に説明した。「インディーカーでは、レースウィークエンドにマシンが大きく進歩する。コースのコンディションも、大きく向上したり、激しく変化することもある。だから、レースのスタートに臨む時に、自分たちの選択――マシンセッティング、タイヤチョイスを含めた作戦――が正しかったのかに自信を持てないことが多い。レースがゴールを迎えるまでにコースのグリップは高まるのが通常だけれど、時として上がらないこともある。とても多くの要素が変化し、それらは常に同じではない。このような状況下、僕はまだレースで自分の望むマシン・バランスをバッチリと得られたことがない。今日はかなり良いマシンとできていたけれど、まだ少しのアンダーステアが出ていた」。


このインタビューは、ジャック・アマノのインディーカー・レポート メールマガジン・プレミアムで8月28日に配信したものです。ジャック・アマノのインディーカー・レポート メールマガジン・プレミアムにご契約いただきますと、全文をお読みいただけます。
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