2012年8月26日日曜日

2012 IDYCAR レポート:R13ゴープロ・インディー・グランプリ・オブ・ソノマ 予選レポート ウィル・パワーが3年連続のポールポジション 佐藤琢磨は24位

強さを見せつけたパワーとチーム・ペンスキー
 ウィル・パワーとチーム・ペンスキーのソノマでの速さは、新レイアウトとなっても健在だった。去年のレースで1-2-3フィニッシュした彼らは、今日の予選でも強さをまざまざと見せつけた。エースのパワーが1分17秒2700のベストを予選のファイナルステージで記録してみせたのだ。
 ソフト・コンパウンドのレッド・タイヤは予選日までには2セットしか各チームに配られない。そして、近頃の競争の激しいインディーカー・シリーズでは、ハード・コンパウンドのブラックでは第2、第3セグメント(ファイナル)へと進出するのは不可能に近いため、誰もがフレッシュレッドを予選第1、第2セグメントに1セットずつ投入する。このような事情から、予選でのベストラップは路面コンディションもマシンセッテイングも第1セグメントより向上している第2セグメントで出され、公式結果として残るファイナルステージでのラップタイムは、路面はさらに向上しているものの、第二セグメントを僅かに下回るというのがパターンとなっている。しかし、今日のパワーとチーム・ペンスキーは、自信に満ち溢れた戦いぶりを見せ、ファイナル・ステージでベストを記録し、ポールをまんまと手中に収めたのだった。


第2セグメントをわずか2ラップでクリア!
 パワーは第1セグメントを誰よりも少ない3ラップのアタックながらトップでクリアした。そして、より競争の厳しくなる第2セグメントをさらに少ない2ラップのアタックで終えたのだった。ここではさすがにトップ通過ではなく2番手だったが、第二セグメントでは6位までに入ればよく、それができれば順位にはまったく意味が無い(あるとすれば、当人が得る自信ぐらいのものだ)。そして迎えたファイナルステージ、パワーはユーズドレッドでのアタック2周目に今週の自己ベスト=出場27台のベストをマーク。第2セグメントトップだったチームメイトのライアン・ブリスコーを2位に下し、ソノマでの3年連続ポールポジション獲得を達成した。ブリスコーは第2セグメントでパワーより1周多い3ラップを走った。パワーの持つ集中力と爆発力が、1ラップ少ないアタックしか行っていないタイヤというアドバンテージに重なり、両者のファイナルステージでのタイム差に現れた。
 セバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)が今シーズンのベストとなる予選3位に食い込んだため、ペンスキーの1-2-3こそならなかった(エリオ・カストロネベスは4位だったのだ)が、パワーとブリスコーによるフロント・ロー・スウィープは実現した。予選1-2-3を逃したとはいえ、カストロネベスは今回がソノマでの8回目のインディーカー・レースとなるが、それら8回すべてで予選順位を4位までに収めて来ているのだから、チーム・ペンスキーのソノマでの速さ、強さには驚くべきものがある。

ホンダ勢トップはディクソンの4位。フランキッティも続く
 トップ4はシボレー・エンジン・ユーザーだった。ホンダ勢のトップは、ポイントランク4位で3回目のタイトル獲得の可能性を秘めているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)による5位だった。6位は彼のチームメイトのダリオ・フランキッティのものとなった。以下、ポイント・ランク2位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が予選7位とまずまずの位置につけ、アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)が8位、ルーキーのシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)が9位、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)が10位だった。
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、今シーズンずっと続いて来ているロードコースでのマシン・セッティングの悪さが解消されず、予選結果は24位だった。「ロードコース用タイヤでの自分たちのマシン・セッティングは、何かが根本的に間違っているんだと思う」と琢磨は分析しているが、彼らの苦しい状況はソノマというコースでは今シーズンの他のロードコース以上に拡大されていた。ミッド・オハイオ、ソノマと2戦連続で事前テストを行ったというのに、苦境を脱するセッティングを見出すことができずにいる。

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