2013年5月20日月曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月19日バンプデイ:2年連続でバンプデイにバンプなし!ミチェル・ジョルダインJr.が苦渋の決断

31番グリッドでコナー・デイリーがクオリファイを果たし、AJ.フォイト・レーシングは2台揃っての決勝出場を決める Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大

34人目のドライバー、バンプデイにアタックせず

 ドライバー&マシンの組み合わせは34になっていた。キャサリ ン・レッグ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のエントリーが昨日決まったことによってだ。しかし、第97回インディー500の予選でバンプ アウトは起こらなかった。去年に続いて、2年連続のバンプ・アウト・ドラマなし……。33個のグリッドに34エントリーがあっても、34人目が予選2日 目=バンプデイにアタックを行わなかった。バンプはなくても、そこにドラマはちゃんと存在していた。
 インディー500出場を断念したのは、 CARTシリーズへの出場経験もあるメキシコ出身のベテラン、ミチェル・ジョルダインJr.(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング=RLL) だった。決勝用ブーストでの走行だった木曜日、つまりはプラクティス開始から6日目、ミチェルのベストは218.073mphで、彼より遅かったのはその 日がマシンの完全シェイクダウンだったバディ・ラジア(ラジア・パートナーズ)だけだった。これは6日間を通してみても、ラジアのものを除けば一番遅いス ピードだった。


レギュラードライバーすら大苦戦のレイホール・ラニガン・レーシング
ジョルダインJr.のマシンのトラブルシュートできず


最悪の結果となってしまったジョルダインJr.Photo:INDYCAR(Chris Jones)

 去年のミチェルは久しぶりのインディカー出場をインディー500で果たした。しかし、今年はスピードが上がっていかなかった。インディ500だけの出場とあって、「僕らは焦らずジワジワとスピードを上げていく」というスタンスだったが、プラクティスを重ねてもスピードが上がっていかな過ぎた。対策は後手に回り、問題の深刻さに気づいた時にはもう手遅れになっていた。「今日はジェイムズ(・ジェイクス)のセッティングを完全移植してみたが、ターン4でスピンしかけた。ドライブできるものじゃなかった。そして、次にグレアム(・レイホール)のセッティングを試したけれど、同じく全然乗れたものじゃなかった。何かが狂っていた」とミチェルは悔しがった。「グレアムのセッティングを施したマシンをグレアムにテストしてもらったが、彼も何が悪いのかの指摘はできなかった。彼にとってもドライブできるシロモノになっていなかったからだ。彼は4周してピットイン。204mphしか出ていなかったのに、これ以上速く走るのは無理」と言った。
 予選2日目が夕方にさしかかっても、ミチェルは「フロントのグリップが全然感じられない」とマシンの異常を訴え続けていた。チームメイト2人にはスペアシャシーもあり、プラクティスで問題なく走っていた。しかし、それらにミチェルのエンジンを移植し、予選突破を目指すことはトライされなかった。ジェイクスは昨日ギリギリで予選24位に食い込み(許されるマックスの3回アテンプトして20位)、グレアムはポールデイにグリッドを確保をし損ねた。フルシーズンを戦うレギュラーたちが苦戦している状況では、スポット参戦のミチェルに手を差し伸べる余裕など生まれない。


メキシコからの大応援団を前に苦渋の決断

 ミチェルは今年のインディーを振り返った。「最初に乗った時、マシンがおかしいと感じた。しかし、1年に1回しかインディカーに乗らないから、判断を下すのに躊躇した。しかし、コーナーをフラット・アウトで走れない。そんなマシンではスピードが上がらなくて当然だ。変えられるものは全部変えたよ、アンダーフロアやフロント・ウィング……。しかし、走ってみるとフィーリング、ハンドリングはまったく変わらなかった。スピードが上がらないからと、何か無理をしてもマシンを壊すだけだ。そうなった時にも、同じように決勝に出られなくなる」。
「マシンのどこかがおかしい。それは明らかだ。「何かが曲がっているとか、壊れているとか、緩んでいるとか……。でもそれを僕らは見つけることができなかった。来週はメキシコから大勢の人たちがくる。僕を信頼してくれているスポンサーたちだ。しかし、僕はインディー500に出場できなくなった。これはとても厳しい現実だ」。


バンプデイの最速はジョセフ・ニューガーデン
琢磨のチームメイト、コナー・デイリーは最後列31番グリッドに

 今日はジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が225.731mphで最速。25番グリッドをゲットした。昨日21番手でクォリファイしたシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)より速いが、ルールにより9列目イン側グリッドしか与えられないのだ。予選26位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、27番手はセバスチャン・サーヴェドラ(ドラゴン・レーシング)だった。
 10列目に並ぶのはトゥリストン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、アナ・ベアトリス(デイル・コイン・レーシング)、ピッパ・マン(デイル・コイン・レーシング)。そして、最後列はコナー・デイリー(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、ラジア、レッグだ。

以上

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