2013年5月22日水曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント31 第97回インディー500 5月18日 ポール・デイ その1:「今日の朝のコンディションを考えると、今現在の僕らとしてはできる限りのことをしたかなって思います」

ディクソンに次ぐ2番目のアタック順で琢磨は予選に臨んだ Photo:Naoki Shigenobu
5月18日 ポールデイ
予選:18位 4周平均225.892mph(=約363.460㎞/h)

予選開始の30分前に降りだした雨で、一気に琢磨のアタック順が裏目に
 ファストフライデイの走行終了後、予選日のアタック順を決めるドロー(抽選)が行われた。AJ・フォイト・エンタープライゼスが佐藤琢磨のために引いた順番は、「14」用が3番、「14T」用が5番だった。
 琢磨は今月「14T」を一度も走らせておらず、予選で使うのは「14」に決まっていた。1番を引いた「40」はエントリーだけで1周も走っていなかった。このマシンが予選に出てくる可能性はほぼゼロだから、琢磨のアタック順はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)の後ろの2番手に決まっていた。
 一夜明けたポールデイは朝から曇りで、予選開始の30分前に雨が降り出した。路面コンディションの劣化は必至。「最高の順番!」と前日に喜んでいた琢磨だったが、早過ぎる順番でのアタックは不利に変わった。

フォイト陣営、アタックを見送る決断はせず
 ディクソンが今年最初のアタッカーとしてコースへと出ていった。もしガナッシがアタック直前のディクソンを予選の列から抜けさせ、アタックを見送る決断をしていたら、フォイト陣営はどうしていただろう? 釣られて自分たちも列を外れたのか、トップバッターとなってでもアタックを行うことにしたのか……。
 ディクソンが走り、琢磨も予定どおりにアタック。琢磨とディクソンのスピードは、とりあえずはディクソンに軍配が上がった。2010年からのルールで、夕方4時までの予選第1段階で1人につき最大3回のアタックが可能。今年は予選スタートが午後1時半に遅れたため、インディーカーは予選第1段階を午後6時までに延長し、ファスト9によるシュートアウトは6時半開始で1人あたりアタックは1回だけ、とルールを変更した。こうしたインディーカーの姿勢は、柔軟性に富んでいると評価すべきなのか、フラフラと色々変え過ぎる体質を批判すべきなのか、難しいところだ。……ということで6時にまで予選時間は延長された。それでも、天候次第で2度目のアタックのチャンスは巡ってこなくなる。マシンを降りた直後の琢磨は以下のように語った。

「最後の方はちょっとスピードが落ち込んでしまいました
純粋なスピードに関してももう少し欲しかった」
Jack Amano(以下――):2番手というアタック順が天候のせいで逆に良くないものになっちゃってましたね?
佐藤琢磨:うん、いつもというか、これまでの感じだったら午前中の早いうちで、まだ気温の上がってくる前の若い番号っていうのが結構有利だったんですけど、今日は雨が降ってしまってトラックコンディションが埃っぽくなってしまっていたし、僕らのはアタックの後はコンディションが安定しているようで、後ろの順番の人たちが走る時間帯の方がトラック自体のグリップも上がって、タイムが良くなっちゃう可能性がありますね。

――4周のアタック、タイム差があまりないものにできていたようですが?
佐藤琢磨:そうですね。タイヤの性能劣化というか、デグレデーションを最小限にとどめるように走ったつもりなんですけど、最後の方はちょっとスピードが落ち込んでしまいました。そのあたりはデータを解析していかないし、純粋なスピードに関してももう少し欲しかった。今日の朝のコンディションを考えると、今現在の僕らとしてはできる限りのことをしたかなって思います。

――2周目と3周目の差は少し大き目でしたが、何かあったんですか?
佐藤琢磨:そのあたりはタイヤの内圧なども見てみなければわからないし、風向きを含めたコンディションも見たいですね。クルマ自体は、少しタイヤの性能劣化が感じられたので、それによるバランスの変化が最小限になるようにアンチロールバーとウィエトジャッカーを使って、何とか抑えたつもりだったんですけど、ちょっと落ち込んでしまいましたね。

「湿度が高く、今朝はこれまでと違うマッピングを試さなければならなかった
短い時間の中でHPDはいい仕事をしてくれていました」

――非常に湿度の高いコンディションは、昨日までのプラクティスで経験していないものでした。
佐藤琢磨:そうでした。基本的には気温、路面温度と風向きがクルマのバランスに大きく影響するんですけども、湿度が結構エンジンのマッピングに与える影響って大きいので、今朝はこれまでとかなり違うマッピングを試さなければならなかったし、短い時間の中でHPDはいい仕事をしてくれていました。パフォーマンスは決して悪くはなかったと思います。ただ、ライバル勢がかなりスピードはかなり速いので、予選は結構タフな戦いになりそうです。

――自分の4周のドライビングはどうでしたか?
佐藤琢磨:特に失敗はなかったですし、これといって、もう1回やったら別のやり方をするっていうものはないので、クルマに合わせた走りはできたと思います。
その2に続く

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