2013年5月25日土曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月24日カーブデイ:ファイナル・プラクティス最速はシモン・パジェノー=ホンダ! 2、3番手にEJ・ヴィソとライアン・ハンター-レイ=シボレー

パジェノー、カーブデーにトップタイムをマーク Photo:INDYCAR (Walter Kuhn)
5月23日 カーブデイ
天候:快晴
気温:12~13℃


パジェノー、2番手のヴィソに0.52mphの差とつける225.827mph

 決勝前の最後のプラクティスは金曜日……不可解なスケジュールに聞こえるかもしれないが、これがインディー500の伝統。つい最近までの昔ながらの日程だとカーブデイは木曜日だった。
 走行時間は1時間。カーブデイと呼ぶのに、たったの1時間。この間に決勝用セッティングの最終確認を行うのだから、各チームは入念にプランを考え、走行時間をできる限り有効に使わなくてはならない。
 肌寒ささえ感ずるコンディション下でのプラクティス、最速はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)だった。スピードは225.827mph。2番手はEJ・ヴィソ(アンドレッティ・オートスポート)の225.304mphだった。シモンは41周走ったうちの40周目、EJは38周走ったうちの31周目が自己ベストだった。
 シモンとEJの間だけでも0.52mphの差。シモンがかなり速かったワケだ……が、これまたプラクティス7日間と同じで、スピードの最後の部分はどれだけのトウを得たか、だから。例えば、まったく同じ数字を出したドライバーが2人いたとしても、ドラフティング効果をガッポリもらった人と、そうじゃなかったのに同じスピードが出せたっていうケースは起こり得る。スピードだけで単純にマシンの仕上がり具合の善し悪しは判断しにくい。
 それでも、ファイナルプラクティスで速いチームはヤッパリ仕上がりがよく、遅いマシンは何かがおかしい。どんな勢力図で決勝が迎えられるのか、おおよその見当をつけることができる。

シボレーとホンダ、カーブデイではイーブンに

 予選ではシボレー・エンジンがトップ10を独占した。ところが、カーブデイの最速はホンダ使用のシモン。2番手だったEJと、3番手だったライアン・ハンター-レイはアンドレッティ・オートスポート=シボレー軍団だけれども、4番手はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。トップ4はホンダx2、シェビーx2とイーブンだった。これをトップ10でみると、ホンダx6対シェビーx4とホンダ優勢になって、トップ20だとまたイーブンになる。
 もちろん、こちらもまた使ったトウの量によるので……。それでも、予選であったほどのエンジン・パワーの差は、決勝用ブーストでのシボレーとホンダの間にはない……と判断してもよさそうだ。
 ポール・シッターのエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)は17番手で、佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は19番手だった。エドは223.794mphで、琢磨のベストは223.737mphだった。
 シモンのトップよりビックリなのは、キャサリン・レッグ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の8番手。チームメイトがトップだったセッションとはいえ、バンプ・デイから走り出したとは思えないポジションだ。


琢磨はフル・スティント・シミュレーションも含めて39周を走行
 琢磨は走り出してすぐにオイル漏れが発覚。そのトラブルシューティングで20分をロスした。何とか原因は突き止められて走行開始、セッション後半には1セットのタイヤで20周以上を走るフル・スティント・シミュレーションも行った。最終的に周回数は39ラップに達し、その中で燃料搭載量の変化が与えるマシンバランスへの影響、トラフィック内でのハンドリングチェックなどをこなした。
 「今日が決勝前の最後のプラクティスですから、トラフィック内でのマシンがどうなハンドリングなのかを感ずる事はとても重要でした。今日はとても涼しくて、それによってマシンはとても速くなっていました。感じられたのはすべてポジティブなフィーリングでしたが、まだ少しのチューニングは必要です。マシン・セッティングをマッサージしてあげないと。ABCサプライのマシンいいところまできてますけど、まだ完璧じゃない。いいカンジは多くの面で感じられている。それは本当にいいことだと思います。僕としてもレース用のマシンは強力だと感じています。しかし、もう一度すべてをチェックして、最後の最後の部分での進歩を手に入れたいですね」と琢磨は語った。
 

 さぁ、これでレースを残すのみ。そしてもちろん、今日走ったマシンセッティングでレースを走らなきゃいけない、なんてルールはない。今日は涼し目だったが、レースは去年のように暑いコンディションになる可能性だってある。まだまだ勝負の行方は見えてきていない。

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