2013年5月24日金曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日 エド・カーペンターのインディー・ポール その4:エド・カーペンター・ストーリー ミジェット&スプリント出身ドライバーのプライド

家族とともにPP記念撮影 Photo:INDYCAR (Jim Haines)
地元ドライバー兼ヒームオーナーの1台体制チームが
名門ビッグチームを打ち負かした!!


 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のアタック3周目がガクッとスピード・ダウン、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)をトップから引き摺り下ろすのが完全に不可能とわかった時、スピードウェイに大歓声が巻き起こった。それは地元ドライバーが成し遂げた偉業、そして、1台体制の小さなチームがビッグチームを打ち倒したことに対する賞賛だった。
Photo:INDYCAR (Walter Kuhn)

 エドは典型的なアメリカンで、モチベーションを地元愛と家 族愛から得ている。「インディーが地元なのは最高。みんなが応援してくれるし、素晴らしい家族もいる。残念ながら今日、母と妹はインディアナ州サウス・ベ ンドに行っているけれどね。明日は妹のノートル・ダム大学の卒業式なんだ。そっちも凄く嬉しいこと。家族全体にとってすごい週末になった」と予選を終えた 時に語っていた。エド自身はインディアナポリスにある高校、大学の出身。現在32歳。奥さんのへザーとの間には子供が3人いる=マケンナ(長女/5歳)、 ライダー(長男/3歳)、クルーズ(次男/0歳)。もちろんインディアナポリス在住。
 エドは出身大学のバスケット・ボール・チームをはじめ、イ ンディアナポリス・コルツ(フットボール)、インディアナ・ペーサーズ(バスケット・ボール)の強力サポーターとしても知られている。家族と故郷を大事に するライフスタイル、飾らないキャラクターでジワジワと人気を高めてきているエドは、このインディー・ポール獲得で一気に人々に知られ、さらにファンを増 やすに違いない。


パーネリ・ジョーンズと記念撮影 Photo:INDYCAR (Jim Haines)
「ポールポジション獲得に気持ちを奪われていちゃダメなんだ
チームには今後も集中力を保ち続けて欲しい」


 エドはドライバー兼チーム・オーナーというユニークかつ難しい仕事をとても上手にこなしてきている。参戦1年目に初優勝を飾り、2年目にはインディーの予選で最速となった。「インディーのポールを獲れるなんて! まさに夢のひとつが実現した」とエドは喜んだが、その後にはすぐ、「すごいことを達成できたし、クルーとスポンサーには感謝してもし切れない。しかし、僕の本当の目標、そしてチームが目指すのはインディー500での優勝だ」とレースに意識を向けていた。本当は懸命に冷静さを保ち、レースにフォーカスしようと必死になっていたのかもしれないが……。
 「競争がすごく激しい中でポールを獲得できたんだから光栄だし、チームにとって記念すべき1日になった。しかし、これに気持ちを奪われていちゃダメなんだ。まだまだ僕らにはやるべきことがいっぱいある。チームには今後も集中力を保ち続けて欲しい」とエドは語り、「これが奇跡的な1ヶ月のパート1であればいい。本当の勝負が行なわれるのはレース・デイだ!」と続けた。やはり、自らとチームの気持ちを引き締めようと頑張っているのだ。ここがチーム・オーナーとしての仕事だ。


「レースでのパフォーマンスがよくなかったら
ポール獲得は何の意味もなさなくなる」



Photo:INDYCAR(Chris Jones)
  「自分たちがここにいる理由を忘れないで欲しい。それをチームのみんなにはハッキリと言い、再認識をしてもらうつもりだ。もちろんポール獲得は嬉しいし、 チームにとっても大きなことだ。この結果を否定する気はない。しかし、レースでのパフォーマンスが良くなかったら、ポールは何の意味もなさなくなる」とも エドは語った。
 思い入れと気負い、それらをうまくバランスさせないとレースでは勝てきない。それを彼は十分に理解している。今の彼なら、インディーでも堂々と戦えるはずだ。
  エドのインディーカー・レースに対する思い入れは強い。そこにはハルマン&ジョージ・ファミリーの一員だからという自覚も今はあるだろう。しかし、それ以 前にエドは子供の頃からひとつのこと=レースを徹底的に好きになり、人生を賭けてきている。彼のオーヴァルでの怖いもの知らずの走りは、ミジェット&スプ リント出身ドライバーのプライドの現れだ。朴訥とした雰囲気を漂わせつつ、レースに対しては熱い情熱を感じさせる。今年のインディー500では慎重、かつ 大胆に戦って優勝争いへと絡んでいって欲しい。

以上



0 件のコメント:

コメントを投稿