2014年3月29日土曜日

2014 INDYCAR レポート 第1戦セント・ピーターズバーグ Day1:佐藤琢磨初日トップ! ホンダエンジン勢が午前は1-2-3、午後も1-2と好調

Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
 ファイアストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ
セント・ピーターズバーグ・ストリート・コース=全長1.8マイル

3月28日 Day1:プラクティス1&2
天候:曇り ときどき小雨
気温:22~23℃

新シーズンが開幕し、佐藤琢磨、開幕戦初日に最高のスタートを切る

 長かったシーズン・オフがようやく終わり、2014年インディカー・シリーズが開幕した。今日、セント・ピーターズバーグのストリート・コースで、朝10時10分過ぎにプラクティス1回目が始まった。フロリダならではの見事な快晴……というワケには行かなかったが、曇り空の下でも半袖でも過ごせるのはフロリダならではだ。

 シーズン最初のプラクティス・セッションでトップ・タイムを出したのは、昨年のセント・ピーターズバーグ・ウィナー、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)だった。2番手はジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)で、佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)が3番手タイムをマークした。

 午後のセッションは雨がパラつく中で午後2時過ぎにスタート。ここでは琢磨がヒンチクリフの午前中のベストより速い1分2秒5615を記録し、走行初日最速となった。昨年の予選で2位になっていることが示している通り、琢磨はこのコースを得意としている。しかし、開幕初日をトップで終えるとは、これ以上ない素晴らしいスタートを切ったと言える。2番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)で、彼のベスト・タイムは琢磨と0.0507秒差の1分2秒6122だった。

ホンダとシボレー、両エンジンの実力はかなり拮抗

 ホンダ・エンジン・ユーザーは午前中にトップ3独占し、午後も1-2だった。そして、今日の2セッション総合でもトップ2ポジションを独占した。2年続けてセント・ピーターズバーグでの開幕戦を制して来ているシボレー勢は、同じく2年連続でマニュファクチャラー・チャンピオンシップを獲得して来てもいるが、今年は両者ともツインターボとなって新スペックを投入。両者の実力がかなり拮抗、走行初日の結果ではホンダがライバルをリードしていた。明日の予選はどんなリザルトとなるか、おおいに楽しみとなった。

 琢磨は1日目を終えて、「とてもスムーズでした」と語った。そして、「トップタイムで勿論嬉しいんですけど、度重なる赤旗とか、午前中が強風で午後は雨絡みっていう不安定なコンディションだったので、僕がタイムを出した時は、そうした中では一番良いコンディションだったのかもしれないし、決して楽観はできない」とも話した。

 2008年にキャリア初勝利、2009年にはキャリア初ポールポジションをセント・ピーターズバーグで記録して来ているレイホールは、「シーズン初日は素晴らしいものになっていた」と喜んでいた。「走り出しから競争力を示せたことにはとても気分が良い。今シーズンの僕らは素晴らしいクルーたちを揃えている。それが成績に反映されることと思う」ともレイホールは語った。

初日3番手のパワー、「明日ポール獲得に向けた走りができる」とポジティブ

 シボレー勢のトップは、予想されていた通りにウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。4年連続でセント・ピーターズバーグでポールポジションを獲得し、オープン・テストでも最速だったパワーは、午前中が4番手、午後は3番手と両セッションでシボレー勢のナンバーワンだった。そして、彼はトップの琢磨と僅かに0.0828秒の差しかなかった。
 パワーは、「いい1日だった。多くのセッティングをトライできた。明日、ポール獲得に向けた走りができる。そうポジティブに考えられる成果が得られたと思う」と自信を見せていた。

 トップ3はコンマ1秒以内という実力伯仲ぶりだった。4番手は少し離れ、トップから0.2563秒差の1分2秒8178を出したエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。5番手はシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)だった。

 午前中にトップだったヒンチクリフは、そのタイムが今日のベストとなって、今日の6番手。同じく午前中の自己ベストによってウィルソンが総合7番手だった。

チップ・ガナッシ勢ではブリスコーが7番手でトップ。ディクソンは8番手

 レギュラー復活を遂げたライアン・ブリスコー(NTTデータ・チップ・ガナッシ・レーシング)が出足良く初日の総合7番手。去年のチャンピオンであるスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)はトップと0.4895秒差のタイムを午後に出し、8番手だった。ガナッシ4名の中ではブリスコーが初日のトップだったワケだ。
 ディクソンは、「午前中より良いポジションに午後はつけることができた。出場全車のタイムは非常に拮抗している。僕らはセッション終盤にフレッシュ・タイヤを投入しなかったが、多くのチームがそうしていたはずだ。自分たちは今日、確実に前進した。明日もそれを続け、予選に向けての準備を万全としたい」とコメントした。

モントーヤ「もっと上の順位につけたかったが、悪くない一日」

 ファン・パブロ・モントーヤ(ペンスキー・モータースポーツ)は、プラクティス1がトップと0.7433秒差の14番手で、プラクティス2にはトップとの差が0.9009秒差と広がったこともあり、18番手だった。2セッション総合だと19番手とさらに順位は下がる。それでもモントーヤは、「悪くない1日だったと思う。もっと上の順位につけたかったのは確かだが、まだマシンなどなど、多くの面で勉強中といったところだから。セント・ピーターズバーグのコースを走るのも初めてだったので、セッティングに関してはある程度の想像、予測が必要だった。そして、僕らの読みは大きく外れていた。プラクティス2では大アンダーステアが出て、その時点で僕らはスピードにフォーカスするのを止め、マシンのハンドリング向上を目指した。コースに対する理解、習熟度も大きく前進した」とモントーヤはオープンホイール復帰初日について語っていた。

 スロー・スタート気味なのは15番手だったトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)と、17番手だったマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)だった。どちらも4カー・チームで最も悪いポジションだったのだ。

 今日はルーキーたちが奮闘を見せた。ジャック・ホウクスワースはトップ10入りする1分3秒0793をマーク。カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)も1分3秒1814で12番手、ミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は1分3秒2045で3番手につけた。昨日出場が発表されたばかりのカルロス・ウエルタス(デイル・コイン・レーシング)はトップから1.7866秒も引き離されての最下位22番手スタートだったが……。
以上

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