2014年8月25日月曜日

2014 INDYCARレポート 第17戦ソノマ Race Day 決勝:スコット・ディクソンが今季2勝目!ウィル・パワーは10位、エリオ・カストロネヴェスは18位!! 佐藤琢磨が20位スタートから4位フィニッシュ

オープニングラップ、カストロネヴェスがヒンチクリフに追突 Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
ウィル・パワー、単独スピンで後退!
カストロネヴェスもオープニングラップで追突


 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はポールポジションからレースを完全に支配していた。序盤にして2番手に10秒もの差をつける速さを誇っていた。しかし、ピット・タイミングのズレから中団グループを走ることとなった途端、そこで大きなミスを冒した。上位への復帰を焦ったのだろう、40周目のターン7立ち上がりで単独スピンを喫した。あそこで他車にヒットされなかったのは不幸中の幸いだった。


 パワーがチャンピオンシップを争うライバル、先輩チームメイトのエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)はスタート直後に大きく後退していた。オープニング・ラップのターン2で減速を忘れたかのようにジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)に激しく追突。ヒンチのレースを台無しにした上、自らのフロント・ウィングを傷めて最後尾近くまで後退した。彼はヒンチに突っ込む前に後続に追突されていたのか……。

 パワーにとっては、一気にポイント差を40点近くも広げる大きなチャンスとなっていた。しかし、それを簡単に放り出してしまった。ペンスキー・ドライバーたちは本当にチャンピオンになりたいのか? そう考えたくなるほど、シーズン終盤になってからの彼らは今年もまたドタバタ劇を演じている。

決勝で走りが甦ったパジェノー、タイトルの可能性を残す3位

 ポイント3番手につけているシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は決勝前のファイナル・プラクティスでの走りが惨憺たる状態で、22台出走中の21番手にしかなれなかった。しかし、レースでの彼はスピードを発揮していた。燃費セーブの能力が問われる戦いとなったこともプラスに働き、彼は3位でゴール。初タイトルに可能性を残してフォンタナ入りすることとなった。一昨年がランキング5位、去年が初勝利記録とランキング3位。チーム・ペンスキーがフォンタナの500マイル・レースでも失態を繰り返せば、パジェノーと、サム・シュミット率いるチームが大逆転で2014年インディーカー・チャンピオンとなることさえ起こり得る。昨年のウィナーはパワーだが……。

チャンピオンシップは諦めないと語るペンスキー勢
 「あのスピンには自分自身が驚いた。しかし、これもまたレースだ。終盤は燃費をセーブしていたたし、プッシュ・トゥ・パスもほぼ残っていなかったからライバルたちをパスすることができなかった。少しでも多くのポイントを稼ぎたいと考えていた。今週の結果は望んでいたものではないが、来週のフォンタナでチャンピオンシップを目指して戦うのみだ」とパワーは語った。そしてカストロネヴェスは、「残念な結果となった。今週末の僕らは速かったが、レース序盤に他車にヒットされた。50点差でフォンタナに行くことになったが、最終戦はダブル・ポイントだから何が起きても不思議はない。チャンピオンシップは絶対に諦めない」とコメントした。

今季2勝目のディクソン、すでに来シーズンを見据える
 ペンスキー勢の失策を尻目に、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンは2勝目を挙げた。マイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)とグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も好走を見せたが、彼らは燃費勝負に敗れた。

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
  「2勝目は嬉しい。しかし、来年はシーズンの最初から優勝し、チャンピオン争いを行わなくてはならない。今日のレース後にオーナーのチップ・ガナッシともそう話した。今シーズン終盤のこの勢いを保って2015年シーズンを迎えたい。来年はエアロ・キットの導入などもあるので、どのチームがどれだけの力を発揮するかの想像はまったくできないけれどね」とディクソンの目はすでに来年に向けられていた。

佐藤琢磨「チーム全体で手に入れた4位」

 今日のレースでは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が4位でゴールした。20番手スタート……の前にはファイナル・プラクティスでのエンジン・トラブルがあった。燃圧ダウンがあったエンジンは慎重を期して新品に換装された。
 ファイナル・プラクティスでのマシンがハンドリング向上の兆しを見せていたことから、琢磨はそこにさらにファイン・チューニングを加えてレースに臨み、レースの中盤からはトップグループとまったく遜色ないラップを重ねていた。
 不運が続き過ぎている2014年シーズンだが、今日はレースで少しの運も味方につけることができ、今シーズンの自己ベストとなる4位フィニッシュを達成した。
 「作戦が良く、ピット作業も速かった。今日の好成績はチーム全体で手に入れたものだと思う。マシンは本当に満足の行くレベルに仕上がっていたワケではなかった。しかし、グリップの低いコンディションが自分たちのマシンには合っていたようで、コンペティティブなラップタイムを刻み続けることができていた。これでチームの士気も上がり、良い雰囲気で最終戦へと向うことができる」と琢磨は喜んでいた。
以上

1 件のコメント:

  1. 琢磨の来期は?AJに残留するか、もしくはホンダエンジンを搭載するよりコンペティティブなチームに移籍して欲しいですが…天野さんの予想は?どーですか?

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