2015年6月29日月曜日

2015 INDYCARレポート 佐藤琢磨コメント R11 MAVTV500 Race Day 決勝 その1:「パックの中でマシンはトップ・レベル。ラップ・ダウンになってから、非常に速いラップを刻めて前に追いつけたのは非常に大きな自信につながりました」

激しいパックレーシングの中でポジションを上げていく戦いとなった Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
「パワーとディクソン。シリーズで最も信頼できるドライバーだから
安心してスリー・ワイドになっていました」


Jack Amano(以下――):最後はすごい追い上げで優勝争いまで行きましたね?

佐藤琢磨:なんて言ったらいいんですかね、最後は非常に残念でした。ああいう形で今日のレースを終えるとは思ってなかった。すごいパック・レーシングだったから、いつアクシデントが起きてもおかしくないシーンが何度もあったけど、今日は落ち着いて走っていたし、危機回避っていうのは何度もあったけど、自分から無理して行くとかいうシーンは1回もなかったと思うんですね。特にセイジ・カラムとグレアム・レイホールは酷い走りをしてたから、あの2台には気をつけてました。カラムとは2回も接触があって……接触っていうか向こうがぶつかって来たんですけど両方とも……。

 それに比べて最後のクラッシュはウィル・パワーとスコット・ディクソンだから、ある意味じゃシリーズで最も信頼できるドライバーたちだったので、非常に接近したクロース・レーシングでしたけれども安心してスリー・ワイドになってました。リプレイを見て、みんなはパワーが降りて来たって言ってたけれども、僕のコクピットからは、ディクソンが内側、パワーが外側で3分の2車身が2台の間にもう入っていた。そして、僕はパワーにラインを合わせるしかなかったですね、彼が3台をリードしてたので。ディクソンとパワーのマシンの向いている方向がハの時になって、お互いが狭まって行くのが見えたんだけど、もう3分の2は入ってたのでどうしようもなかった。両側を、ピンポンみたいに接触してレースを終えてしまいました。

「行こうとすればいつでも行けるぞ、という感じで
今日はかなりフューエル・セーブもしました」


――スタートから1回目のピット・ストップまではゆっくりとポジションを上げて行った印象でしたが、マシンのハンドリングはどんなだったんですか?

佐藤琢磨:まぁ、そうですね。500マイルのレースですし、ここは良い状況になればどんどん抜いて行けるっていうのがわかっていたので、確かに割りと上がって行くスピードはゆっくりだったかもしれないけど、元々9番手からのスタートだったということで、焦ってはいなかったですね。
Photo:INDYCAR (Chris Owens)
 タイヤのひとつのスティントでのでグラデーションがどうなるかもわかっていなかったので、タイヤを労りながら走ってました。その後ですね、レースをリードして、今日はとてもコンペティティブに走れるっていうのがわかった。ただ、レースをリードすると燃料を使います。タイヤは一番ラクなんですけどね。と言うことで、その後にペンスキーが2〜3台来た時はわざと先に行かせて4番手ぐらいでずーっといたと思うんですけど、あれはだからもう抜かないで、燃費セーブして、セーブして、それでピット・ストップでちょっとでも入れる燃料の量を少なくしよう、そうすることでタイムを稼ごうと頑張ってました。今日は行こうと思えばいつでも行けるぞ、みたいな感じで、かなりフューセル・セーブもやりました。

「2011年ラス・ベガス以来のパック・レーシングでした」 

――前を走って速いクルマでしたが、パックの中ではどうでしたか?
 

佐藤琢磨:すごい良かったと思いますね。今日はトップ・レベルだったと思います。もちろん、ダウンフォース・レベルが今回は全員が非常に高かった。それは日 中のレースで、みんながタイヤに苦労するだろうと思って、インディーカーがダウンフォースという面でかなり許容をしてくれたんですね。その恩恵に預かった 分、本当に久しぶりの、2011年のラス・ベガス以来のパック・レーシングになっていたと思います。20台が固まって走るレースになってましたね。徐々に ストレッチをした時もあったけれど、レースの最後の方はもうみんなウィング・レベルもシッカリ合わせ込んで来ていたから、本当に集団で走れる状態になって ました。それで事故も連続しちゃいましたけど、その中で僕自身はかなりラインを選べていたし、僕のクルマだって滑ってたんですけど、クルマを完全に支配下 に置いてコントロールをしてたんで、滑っても全然立て直せてました。
Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
――もう終盤に入ってから周回遅れに陥りましたが?

佐藤琢磨:はい。あの1ラップ・ダウンになった時には本当にガクッと来ましたけど、アレを最後尾から追いかけるときに、非常に速いラップを刻めたと思うんですね。ターン3、ターン4でボトムまで降りる、ものすごくショート・カットするラインを毎周取れてました。このコースはシームっていう舗装の繋ぎ目があって、アレを通るとすごくグリップが失われるんですよ。だからみんな一度コーナーにはいったら、そのレーンからほとんど離れないって感じなんだけど、もう僕は予選みたいな走りでカウンターを当てながらボトムまで降りて走り続けてました。それでスピードが出せて、前に追いつけたのは非常に大きな自信に繋がりましたね。それがあったで、最後にまたトップと同一周回に戻って、最後尾から追い上げる時にも、前に行けるっていう自信がありました。それで、ガンガンとインサイドから順位を上げて行くことができましたね。
(その2に続く)

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