2015年8月3日月曜日

2015 INDYCARレポート R14 ホンダ・インディー200・アット・ミド-オハイオ Race Day 決勝:グレアム・レイホールがミラクル・ウィン

今季2勝目、ランキングでも首位に迫る結果に! Photo:INDYCAR(Chris Jones)
レイホール、68周目イエロー直前のピットインでトップに浮上

 第14戦ミド-オハイオでグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が優勝した。オハイオ州に工場を持つホンダが冠スポンサーのイベントだが、昨日の予選でホンダ勢最上位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)による7位だった。しかし、予選13位だったレイホールがチームの作戦の巧みさ、判断力の良さで優勝を手に入れた。レイホールがトップに立ったのは、90周のレースがもう終盤に入っていた68周目。セイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)がスピンした際、イエローが出される直前にピットロードに飛び込んだ好判断によってトップに浮上した。




Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
  一端トップに出るや、レイホールは1分6秒台のハイペースで逃げ、2位に3秒以上の差をつけた。ところが、ゴールを目前に1台がコースオフしてイエロー。
残り7周で切られたリスタートでは、もうプッシュ・トゥ・パスが残っていなかったが、それを使う相手を封じ込めてトップを維持し、そこからの残り周回数でもう一度差を3秒以上に広げて悠々とゴール・ラインを横切った。


父と因縁のあるミド‐オハイオでの勝利

 「このレースはレイホール家にとって特別なものだ。コースを造ったジム・トゥルーマンは、私の父であるボビー・レイホールをレースで成功させた人物だからだ。ミド-オハイオのインディーカー・レースで一度も勝てないキャリアとなったら、私はすごくガッカリすると思う。だから今日、こうして勝つことができて本当に嬉しい」とレイホール二世は語った。
 彼の父ボビーはミド-オハイオで2勝している。85年と86年のことだ。いずれも上記のトゥルーマンが率いたトゥルースポーツのドライバーとしてだった。彼らのワークショップは、ミド-オハイオに近いコロンバスにあった。今でこそインディーカーのプロジェクトはインディアナポリスを本拠地としているが、今もレイホールの総本部はコロンバスだ。グレアムはそこで生まれ、育ち、レーサーとなって、トップ・カテゴリーのインディーカーへと到達。父のインディーカー・チームで走るようになって3年目の今年、地元のビッグ・レースで初めての優勝を掴んだ。
 この勝利はグレアムにとって今シーズン2勝目(1勝目はフォンタナ)。キャリア3勝目だ。表彰台はこれで今季6回目。トップ5フィニッシュ8回、勝利数=2、両方の数字で彼はポイント・リーダーのファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)に並んだ。今日モントーヤは12位フィニッシュだったことから、ふたりのポイント差は僅か9点に縮まった。ポイント3位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はポール・スタートから4位でフィニッシュ。レイホールとの差が25点に広がった。


ウイルソンが2位フィニッシュでホンダ1-2

 レイホールの後ろの2位でフィニッシュしたのはジャスティン・ウィルソン(アンドレッティ・オートスポート)だった。彼は予選14位。今日は7列目のグリッドからスタートしたふたりが1、2位でフィニッシュしたということ。レイホールは前述の通りに絶妙のタイミングで3回目のピットストップを行なったが、最初のピットをレイホールより1周早く行なっていたウィルソンは、最後のピットも同じくレイホールより1周前、カラムのスピンによるイエローが出る直前に行なっており、やはりレース展開を味方につけて優勝争いに加わった。
 インディアナポリスのロードコース、インディー500と出場した後、ミルウォーキーからシーズン最終戦までの5戦に出場することとなったウィルソン。ショート・オーバル2戦では18位、17位と結果を残せなかったが、ミド-オハイオで実力を発揮した。ウィルソンの最終5戦出場は、アンドレッティ・オートスポートにとってだけでなく、HPDにとってもエアロ・キットの開発プロジェクトとして大きな意味を持っている。チームの他の3台と情報を交換しながらも異なるアプローチを採り、エアロ・キットのポテンシャルをさらに引き出しそうとしているのだ。

 3位はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)のものとなった。今年2回目の表彰台。ミド-オハイオでは自身3度目のトップ3入りとなった。彼のスタート・ポジションは15番手だった。予選がうまく行かなかった面々が、レースでは作戦を武器に好成績を挙げた。


 4位はポール・スタートだったディクソンで、5位は予選8位だったトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)。6位は最後尾スタートだったトゥリスタン・ヴォーティエ(デイル・コイン・レーシング)が手にした。

佐藤琢磨、無念のリタイア

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、自身の100戦目だったが、今日唯一のリタイア……で24位。序盤の20周目辺りでルーキーのステファノ・コレッティ(KVレーシング・テクノロジー)と接触。ホイール・ガードなどを傷め、その交換に時間がかかって2周遅れに陥った。そこからの挽回は難しく、さらにコース・アウトもあってピットでマシンを降りた。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿