2016 INDYCAR ニュース 7月27日：ショック!! ターゲットのスポンサーシップは今年限り

Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大

27年間に及ぶパートナーシップが残り4戦で終止符

　今日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。今年限りでターゲット（日用品スーパー・マーケットの全米チェーン）がチップ・ガナッシ・レーシング・チームズのスポンサーシップをストップするというのだ。おそらくレースの世界で最も長く同じチームをサポートし続けて来たスポンサーシップが、ガナッシに対するターゲットだったのだが……。

ターゲット初戦の1990年、フェニックス開幕戦は
私の人生最初のインディーカー取材だった

1991年のインディー500、ターゲット・スコッチビデオ・ローラとエディ・チーバー　Photo:INDYCAR クリックして拡大

 　最初のレースは1990年だった。開幕戦はフェニックス。ドライバーはエディー・チーヴァーだった。奇しくも、Jack Amanoにとって人生最初の生インディーカー・レースがコレだった。サマー・タイム（＝デイライト・セイビング）を知らずにデイトナ・ビーチで飛行機に乗り損ね、朝の到着のはずが夜になっちゃったけど、翌日、ピットでマリオ・アンドレッティとエマーソン・フィッティパルディが談笑する光景を見た時に体が震えるほど感激……あぁ懐かしい。

5年目の1994年、マイケル・アンドレッティを起用し一気に開花

　チーヴァーは、鈴鹿でのF１日本グランプリに出ていたので親しみがあった。弟のロスを日本のレース界で取材してたという縁もあったし……。でも、ガナッシは単なる名の知れないチーム・オーナーの１人でしかなかった、少なくとも当時の私にとっては。それが、ターゲットの長年のサポートのおかげもあって、ロジャー・ペンスキーと肩を並べるほどの戦績を誇るチームを作り上げた。

1994年、ターゲット・チップ・ガナッシに加わったマイケル・アンドレッティ。開幕戦のサーファーズ・パラダイスでいきなり優勝した。この年からマシンもレイナード・フォードに　Photo:INDYCAR クリックして拡大

 　 最初の頃はね、かなり鳴かず飛ばずだったのよ、チップのチーム。アリー・ルイエンダイクとかロビー・ゴードンとか、私好みのドライバーを走らせてたんで注目はしてたけど、勝てなかった（インディー500でのポール・ポジションは1993年に獲得＝アリー）。それが、F１帰りのマイケル・アンドレッティ起用、マシンをレイナード・フォードに変えた1994年に一気に花開いた。その前年、「マイケルをアメリカにお返しします」ってマクラーレンのロン・デニスがナザレスのインディーカー・レース会場まで来て、ガナッシのマイケル獲得会見で話したのも思い出される。

インディーカー27シーズンで実に11回もタイトル獲得
ターゲットのNASCAR活動は今後も継続
 

今年の第2戦、フェニックスでのディクソンの勝利がターゲット最後の勝利となってしまうのだろうか？　Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

 　ガナッシは去年の最終戦で通算100勝目（！）＝大逆転タイトルが記憶に新しい。インディーカーでは1996年のジミー・ヴァッサーを皮切りに、アレックス・ザナルディ（2回）、ファン・パブロ・モントーヤ、スコット・ディクソン（4回）、ダリオ・フランキッティ（3回）の11回もチャンピオンになっている。インディー500優勝はモントーヤ、ディクソン、フランキッティで合計4回……と、とてつもない戦績。またこういう人、出て来て欲しい。エド・カーペンターとかサム・シュミットとか、期待してますよ～。
　今シーズンいっぱいで、27年間でターゲットのインディーカーでのサポートは終了。チームもそれは認めている。あのカラーリングを見ることができるのも残り4戦てこと。今年のディクソン車のカラーリングが黄色の稲妻復活となってたのは、チームが今年限りってのを知ってたってことなのかな？　しかし、NASCARでの活動はチップ・ガナッシ・レーシング・ウィズ・フェリックス・サバティスと共に続けて行くってのが悔しい。インディーカーで始まったプロジェクトなのに。こうなったら、ディクソンに今年また大逆転タイトル獲得を最終戦ソノマで決めてもらって、ターゲットの気を変えてもらうしかないね。
以上