2016年8月21日日曜日

2016 INDYCARレポート 第14戦 ABCサプライ500 Day1 プラクティス1:最速はミカイル・アレシン


アレシン、ポコノがトップタイムをマーク Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
3人の有力ドライバーがプラクティス1でいきなりクラッシュ
 
 ペンシルヴェニア州ロング・ポンドにあるポコノ・レースウェイは全長が2.5マイルの、三角形をしたコースだ。ターン1、2、3のコーナー半径もバンクの傾斜角度も、ストレート3本の長さも、すべてが異なるという大変ユニークな高速コースだ。

 2デイ・イベントの今回、予選の前に行われるプラクティスはたったの1回だけ。天候は素晴らしい快晴。日差しが強く、プラクティスの間にみるみる温度は上がって行き、走行終了時点では気温は27℃、路面は38℃となっていた。
 90分間と長いプラクティスでは、2015年ウィナーのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が開始早々に、2013年に2位フィニッシュしているチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)がセッション中盤に、2014年にポール・トゥ・ウィンを記録しているファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)がセッション終盤に……と、珍しいことに3人の有力ドライバーがアクシデントを起こしたため、走行時間が大幅に短縮され、インディ-カーは走行時間を10分間延長したほどだった。

ホンダ勢、1,2,4,5位につけ順調なスタート

 アクシデントで寸断されたセッションで最速ラップをマークしたのは、ロシア人ドライバーのミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。ドラフティングを利用してのものだったが、彼は221.932mphを記録した。
 2番手はジェイムズ・ヒンチクリフの220.290mph。シュミット・ピーターソン・モータースポーツが1-2だった。これはホンダの1-2でもある。

 3番手はジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)=220.160mphで、4、5番手はインディー500ウィナーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)=219.927mphと、インディー500で2位だったカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)=219.920mphだった。ホンダ勢はトップ2だけでなく、4、5番手にも食い込んだのだ。

佐藤琢磨、最初のセッションは16番手

 ポイント・リーダーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は217.830mphのベストで14番手。ポイント2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は219.413mphで6番手。ポイント3位で昨年度ポール・ウィナーのエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は217.797mphで15番手だった。そして、佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は、カストロネベスのすぐ後ろの16番手に217.525mphでつけた。


アクシデントによる走行中断で、セットアップの確認ができなかった琢磨はこのセッション16番手 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
 「予選シミュレーションを最後に行ったが、ターン1でリヤが浮き始めたのでピットに戻った。調整を施してもう一度走るつもりだったが、そこでモントーヤのアクシデント発生。予選はややブッツケ本番になる。それでも、ダウンフォース・レベルの行ってはいけないポイントはわかったので大丈夫のはず」と琢磨は話していた。

クロウソン、ジャスティン・ウイルソン……追悼のポコノ戦


コナー・デイリーは今回、ブライアン・クロウソン・フォエバー・ホンダというエントリー名で参戦 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 今回、デイル・コイン・レーシングはコナー・デイリーがつい最近ミジェット・カーのアクシデントで亡くなったブライアン・クロウソンを追悼する目的でカー・ナンバーを彼が今年のインディー500で使った88とし、彼のイニシャル・ロゴなどを纏ったマシンでエントリーしている。そして、彼のチームメイトには女性ドライバーのピッパ・マンが起用されている。
ピットやパドックにはウイルソンのソックスを履くクルーの姿が目につく Photo:INDYCAR (Chris Owens)
 昨年のポコノではジャスティン・ウィルソンが事故死しているため、ピットにはイギリス国旗が数多く掲揚されている。テレビ・スタッフやアンドレッティ・オートスポートのスタッフなど、彼のソックスを履いている者も多い。
以上

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