2016年9月18日日曜日

2016 INDYCAR ニュース 第16戦 ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ Day2 予選:ポール・ポジションはシモン・パジェノーが獲得

パジェノー、会心の走りでポール・ポジションを獲得!タイトルに向けて前進!! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
パジェノー、ユーズド・レッドでレコード・タイム更新

 最終戦グランプリ・オブ・ソノマの予選でポール・ポジションを獲得したのは、ポイント・リーダーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。予選のセカンド・セグメントをユーズド・レッド・タイヤで戦いながらトップ6入りを成功させたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)がファイナル・セグメントでアドバンテージを持っており、アタック1周目で1分16秒4134という今日の最速ラップをマークしてトップに立った。それをパジェノーはユーズド・レッド・タイヤ装着で破ってみせた。



Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
  ファイナル・ステージでの最初のアタックでのベストは1分16秒6801だったパジェノーだったが、もう1セットのユーズド・レッドにスイッチしてのアタックで1分16秒2565を叩き出したのだ。これは2015年にウィル・パワーの記録したコース・レコード=1分16秒2597を僅かではあったが更新するものともなった。カストロネヴェスはフレッシュ・レッドで連続2ラップのアタックを敢行していたが、2周目は1分16秒7960と1周目を上回ることができず、予選結果は2位となった。

喜ぶパジェノー「これで7回目のポール・ポジション」

 「エリオがニュー・タイヤだったのは知っていたので、彼を上回るラップでポール・ポジション獲得を達成できて本当に満足している。しかし、それよりも嬉しかったのは、予選を通してマシンが本当に素晴らしいハンドリングであり続けたところだ。朝のプラクティスでは、レッド・タイヤを装着する前にマシンの力をどれだけ引っ張り出せるかをエンジニアたちと考えていた。レッド・タイヤを装着したマシンがどのような反応を示すのかは常に想像をするしかない。レッド・タイヤのテストはできないルールなので。そして、今回もレッド・タイヤを履いたマシンは最高のパフォーマンスを見せてくれた。チームのおかげで夢のようなシーズンとなっている。これでポール・ポジションは7回目なのだから、信じられない。今、僕はとても興奮している。自分たちにポール・ポジションを獲得する力があるとはわかっていたが、これまでの戦績から見てもソノマは自分の好きなコースではなかった。でも、もうそんなことはなくなった。ポイントのこと、チャンピオンシップのことは考えずに予選を戦っていた。このコースでの予選は本当に1ラップだけでの勝負になる。コースがタイヤに対して過酷に過ぎるからだ。ファイアストン・タイヤは素晴らしいのだけれど、インディーカーにパワーがあり過ぎ、ヘアピン・コーナーなどでリヤ・タイヤを大きく磨耗させてしまう。ベストのパフォーマンスを発揮するのは1周のみだから、ドライバーはすべてのコーナーで完璧な走りを行ない、1周を完成させないとならない。僕はこれを動物的直感と呼んでいる。考えることなく、ただアタックをするだけ。そういう風にドライブできた時は本当に最高の時間を味わうことができるんだ」とパジェノーは語った。

パワー、ペンスキー勢最後尾の予選4位
「差はブレーキにあったかもしれない」


 パジェノーが今週最初のボーナス・ポイント、ポール・ポジションの1点を獲得した。これは同時に、追う立場のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1点のゲインを決勝前に果たせなかったという意味でもある。パジェノーがまた一歩、初タイトルに近づいた感はある。もちろん、明日のレースで何が起こるかは誰にもわからないが……。

 予選2位はカストロネヴェスで、予選3位はファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)が1分16秒5400で手に入れた。ポイント2番手でポール・ポジションとボーナスの1点が是非とも欲しかったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は予選4位となった。過去6年間で5回もポール・ポジションを獲って来た実績の持ち主だが、今回は不発。しかも、厄介な先輩チームメイト2人がタイトル争いの相手、パジェノーとの間に入ってしまった。彼らはレースでどのような動きを見せるのだろう? 一筋縄では行かないヴェテラン2人だけに、易々と道を譲ってくれはしないはずだ。
 「今日の自分たちには予選でポール・ポジションを獲るだけの力がなかった。プラクティスから今ひとつの状態が続いていたと言うべきか。ギリギリで上位につけている感触だった。トップ6に入れるマシンにはなっていたが、それ以上ではなかった。予選は更に悪い状況だった。レッド・タイヤ装着でのパフォーマンスが良くなかった。アレが今日の自分たちの限界だった。マシンの持っていた力はフルに引き出していたと思う。差はブレーキにあったかもしれない。チームメイト3人と自分だけブレーキ・バイアスの数字が違っているんだ。ただ違っているんじゃなく、大きく違っているんだ。そこに差があるのかもしれないから、検討をしてみたい。そして、明日のレースだが、長い戦いになる。タイヤの磨耗との戦いでもある。タイヤがどういう減り方をして、それをどう使いこなして戦うのか、おもしろいレースになる」とパワーは語った。

奮闘のレイホール、ホンダ勢最上位の予選5位






プラクティスではタイヤを温存していたレイホールが予選で一気にファスト6進出! Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
 予選5、6位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)のホンダ勢のものとなった。好調と映っていたアンドレッティ軍団だが、ファイアストン・ファスト6に残れたのはハンター-レイだけで、トップ6での戦いでは最下位に甘んじた。逆に、レイホールの奮闘は光った。プラクティス1で3番手につけたが、プラクティス2は20番手。そして、今朝のプラクティス3でも順位は13番手と良くはなかった。プラクティス2、3での彼はユーズド・タイヤを主に使っての走行を重ね、辛抱強くセッティングの向上に努めていたのだった。
「僕らは最終的に素晴らしい予選結果を残すことができたと思う。今週末は難しい展開になっていたが、チーム全員が頑張ってマシンを向上させることに成功した。どのセッションでも何かしら問題が発生していが、予選でホンダ勢トップの座を確保することができた。チームとしてこの結果を誇りと感ずる。特に、今週末はずっとアンドレッティ・オートスポートが速さを見せて来ていた。彼らを上回れて嬉しい。僕らは予選5位で、前にいるのはチーム・ペンスキーの4人だ。明日は優勝を目指す。最終戦を好結果で終えることには大きな意味がある。タイトル争いを行なう2人が前のグリッドからスタートする。彼らに対しては賢く対応をしなければならないが、我々も勝つことを目指してここに来ている。勝てるチャンスがあったら、それを誰かに譲るつもりはない。全力を出し切ってプッシュし、ホンダ、そしてスポンサーたちのためにもヴィクトリー・レーンへとマシンを乗り付けたい。そのためにも良いレースを戦わねばならない」とレイホール二世はコメントした。

佐藤琢磨、レッド2セット投入もセグメント1敗退
「明日は全く違う戦いになる」


 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選セグメント1のグループ1で敗退した。予選開始からレッド・タイヤで走り、連続してレッド・タイヤ2セットを投入する作戦で戦った琢磨だったが、11人のグループでの順位は8番手で、予選結果は15位となった。チームメイトのジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)も同じグループで予選を戦い、彼はグループ内8番手。予選順位は17位となった。「今日、自分たちのトライできることは全部やりましたが、セグメント1の通過を果たすことはできませんでした。今日の予選はとても戦い方の難しいものになっていました。グループ1で走ったので、路面はスポーツカーのカテゴリーの走行で汚れている状態になっていました。ソノマのコースではブラック・タイヤのパフォーマンスが安定しているのですが、コンディションの良くない状況も考えてレッド・タイヤで行くことにしました。走り出してみると、やっぱりコースは午前中のプラクティスより遅いコンディションになっていました。もちろん、同じグループで走るライバルたちも条件は同じです。自分たちにはあと少しのスピードが足りていなかった。チームとしては、出すべき力をすべて出して戦った予選になっていたと思います。エンジニアたちも、クルーたちも頑張ってくれました。ただ、順位間のタイム差がとても小さく、残念ながらコンマ1秒ちょっと届きませんでした。しかし、明日はまったく違う戦いになります。予選と決勝では全然マシンの仕上げ方が異なるのがソノマなんです。明日の僕らは力強いレースを戦いたいと考えています。今年の最終戦ですしね」と琢磨は話した。

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