2018年4月23日月曜日

2018 INDYCARレポート R4 ホンダ・インディー・グランプリ・オブ・トロント Race Day 決勝:まさかの中断! レースは明日、23周目から再開

ターン12にアプローチするニューガーデン。このニューガーデンに迫っていたパワーは、最初のリスタート時にメインストレートでクラッシュ。ブルデイ、ハンター-レイという上位陣のオーダーでレースはサスペンテッドに Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ヘビー・ウェット下でレースはスタート

 予報的中! で、レース前からバーバー・モータースポーツ・パークは雨模様。サポート・レースは全部なんとか終わったというのに、メイン・イベントだけが中断、延期の憂き目に。
 ウェット・レースが宣言されて全車ファイアストン・ウェット・タイヤを装着してのスタートが義務付け……とアナウンスされたが、直前のインディー・ライツのレース#2の時からスリックで出ようなどとは誰も考えない路面だった。インディー・ライツ終了後にさらに雨が降り、路面は悪くなっているように見えていた。
 この手のコンディションで主催者のインディカーが慎重を極めるのはいつもの話。一列でイエロー・スタートし、2周目にグリーンを振るという安全策が取られた。おかげでスタート直後のターン1で多重アクシデントが起こることはなかった。しかし、同時にロードコース・スタートのエキサイトメントもなかった。

スピン、コースアウト続発!16周目のパワーのクラッシュ後に赤旗
アンダーイエローでレース再開するもまたも赤旗に


 1ラップ目、いや2ラップ目だ……を出走23台は無事に終えてメイン・ストレートへと戻って来た。すざまじい水しぶきが上がるのは、ストレートのところどころに水溜りがあるせいらしい。その上、コースの端の方はコースサイドの芝生のエリアから水が溢れ出て来ていた。
レース序盤、ターン5ヘアピンからターン6に向かう集団。ウォータスクリーンで視界が遮られ、路面にも水がたまるなど最悪のコンディション Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)がアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)をパスしようとトライしてスピン。彼はなんとか走行を続けた。
 11周目にチャーリー・キンボール(カーリン)が最初のアクシデントを起こし、レースは12周目からフル・コース・コーションに。これが4周続き、16周目にリスタートが切られた……・が、今度はターン1に到達する前のストレートでウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がスピン。ピット側のコンクリート・ウォールに激突……で、今度はレッド・フラッグになった。


最初のレッドフラッグが出され、ピットでレース再開を待つマシン群 コースに排水作業が施され、37分後にアンダーイエローでレース再開となったが、やはり続行は無理との判断が下り、すぐさま2度目の赤旗に Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
 この後、レースはイエローのままラップが重ねられたが、22周目にもう一度赤旗となり、明日、23周目からレースが再開されることと決まった。

現時点の暫定トップはニューガーデン、2位はブルデイ
佐藤琢磨は10ポジションアップで8位まで浮上!

 

激しく水煙を上げながらメインストレートを行くニューガーデン。ユニバーサル・エアロになって、初めてのウェットレースだが、危なげなくスタートからレース中断までをリードした Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 トップはポール・スタートのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がキープ。クラッシュ直前のパワーをパスしていたセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)が2番手。その後ろはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)だ。 

ターン5ヘアピンでピゴットのインからパスを試みる佐藤琢磨。レース中断時には8番手まで浮上しており、再開後の上位進出に期待がかかる Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  4番手以下はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、ザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)、ロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)と続き、18番手スタートだった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が一番多くのポジション・ゲインを果たして8番手。その後ろにスコット・ディクソンとエド・ジョーンズのチップ・ガナッシ・レーシング・コンビが続いている。
 トップ10は先頭のニューガーデン以外は全員ホンダ!
 シボレー2、3番手はエド・カーペンター・レーシングの二人がジョーダン・キング、スペンサー・ピゴットによる11、12番手。 


12周目、キンボールがジョーンズに追突されてスピンして最初のフルコースコーションに。パジェノーをはじめ何人かがここのタイミングでピット作業をチョイスしたが、結局レース中断となって裏目に Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)はキンボールのアクシデントで出たイエロー中にピット・インをしたため15番手でレース中断となった。

マシンは明日までインディーカーが保管
燃料の継ぎ足しはOKに


 明日のレース再開に向けてのルールは、燃料継ぎ足しオーケーで、ドライ・コンディションになった場合にはレッドでもブラックでもタイヤは何を着けてもオーケーだから、ピット・ストップをしてしまったパジェノーやアンドレッティは燃料をそこで補給したメリットがなくなってしまった状態。

 キンボールは正式にリタイアしていたので明日のレースに出場することができないが、パワーは修理をしてレースに戻ることが可能。ただし、マシンはインディカーが保管し、夜の間にクルーたちが触れることは御法度。明日のレースが再開されるタイミングで作業開始が許される。今日の赤旗中にやってはいけない作業をマシンに施したことでザック・クラマン・デ・メロ(デイル・コイン・レーシング)は2ラップのペナルティ。ギャビー・シャヴェス(ハーディング・レーシング)とトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は1ラップ・ダウンで、パワーはすでに6ラップ・ダウン。マシンを直してレースに復帰したとしても、ポジション・アップ=より多くのシリーズ・ポイント獲得は難しいかもしれない。
以上

2 件のコメント:

  1. 天野さん、寒い雨風の中レポートおつかれさまでした。すごい雨風でしたし寒そうでした。ブルデーのインタビューがあって喜んでいましたが、少し震えてましたね…かわいそうでした。でも、2位につけていますし車はすごくいいとコメントがありましたから期待したいです‼とは、言っても天気の回復がいちばんですが。リスタートでニューガーデンは車が尻をふっていましたしパワーもクラッシュしました。コンディションは、最悪でしたね。観に来ているファンを見ているとレースを続けたい気持ちもわかりますがあのコンディションで大きな事故の可能性もあるわけで…。順延でよかったのではないでしょうか?主催者側は、大変でしょうけど…。今回、インタビューでオリオールセルビアが登場したことがすごくうれしかったです。ペースカードライバーが、なかなかテレビの前に出るのは少ないでしょうから。天野さん、風邪引かないように気をつけてくださいね。レポート、楽しみにしてます。ありがとうございました。

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  2. やはり天候には勝てませんね。
    ドライバーの安全を考えると、順延は仕方ないでしょうね。

    さて、琢磨選手中断時点で8位ですか。今度こそトラブルに巻き込まれませんように。

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