2019年5月16日木曜日

2019 INDYCARレポート 第103回インディアナポリス500 Day2 プラクティス2:プラクティス2日目のトップはジョセフ・ニューガーデン



 今日もインディアナポリスは快晴。午前11時に始まるヴェテラン用プラクティス時間の前に、ルーキーのパト・オーワード(カーリン)に40分間もの走行時間が与えられ、彼はルーキー・オリエンテーションを完了させた。昨日、彼のマシンはギヤボックスにトラブルを発生、14周しか走れなかったため、特例措置が取られた。ベン・ハンリー(ドラゴンスピード)もルーキー・オリエンテーションをまだ2段階残しているが、彼にはなぜだか走行許可は出なかった。
 そして、今日からのプラクティスはもうヴェテランかルーキーかの区別がなくなり、午前11時から午後6時まで7間がフルに走行OKとなった。明日、明後日も同様のスケジュールとなる。

 今日のプラクティスではふたつの大きなアクシデントがあった。最初はすでにレポートしたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)で、次はルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。アロンソのアクシデントは午後12時半過ぎ、ローゼンクヴィストのものは午後5過ぎに発生。どちらもマシンへのダメージは大きかったが、ドライヴァーは無事で、すぐに走行再開の許可が下りた。

 ローゼンクヴィストはターン2でスピンし、アウト側ウォールに激しくクラッシュした。前方にコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)のマシン1台のが走っている状況で、彼はターン2にアプローチ。ハータとの距離が近過ぎたと感じたのかイン側の白線をまたぐところまで走行ラインを下げた。そこでマシンが急激に挙動を乱し、360度スピン。マシン右側側面からアウト側の壁にヒットし、コースを横切ってイン側のタイヤ・バリアにノーズから突っ込んで止まった。最初のインパクトはアロンソのもにに比べて断然ハードで、ノーズからではなく、サイドからの衝突となったのは幸いだった。彼のすぐ後ろをウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・ASPM)が走っており、パワーは接触ギリギリだったが、巧みなドライヴィングでインに進路を変えて回避し、ハーヴィーはアウト側に逃げて、こちらも無事だった。

 昨日のプラクティス初日に18番手のスピード=226.829mphをマークしていたローセンクヴィストは、今日はアクシデント前までに95周を走り込み、昨日より僅かながら速い226.787mphを出して15番手につけていた。「コルトンのすぐ後ろを走っていた。トラフィックでのマシンを良くしようとトライしていた。ターン2で突然大きなアンダーステアが出た後、急激にオーヴァーステアになったため、対応し切れなかった。何が起こったのか、その究明をしなければならない。縁石までラインを下ろしたつもりはないが、もう少し上のラインを採った方が良かったのかもしれない」とローゼンクヴィストはアクシデントの状況を語った。

 気温が摂氏19度、路面温度28度で走行開始。日中に気温は23度、路面は44度まで上昇した。風も強くは吹かず、走行に適した7間だった。そのようなプラクティス2日目に最速ラップ=228.856mphを記録したのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)。午後の3時半過ぎに今日のベストは記録された。今日のニューガーデンは82周を走ったが、その28周目だった。
 2番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の228.835mph。シヴォレー・ユーザーが2日連続でトップだったが、今日はホンダ・ドライヴァーが2番手につけた。
 3番手はスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)の228.658mphで、4番手はルーキーのサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)=228.561mph。シヴォレーとホンダがトップ4を分け合った。

 510番手は、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)=228.441mph、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)=228.271mph、ザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)=228.057mph、チャーリー・キンボール(カーリン)=227.472mph、エド・ジョーンズ(エド・カーペンター・レーシング)=227.304mph、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)=227.192mph2日続けてトップ10入りしたドライヴァーは5人いて、それらはシヴォレーがカストロネヴェス、カーペンター、ジョーンズの3人。ホンダはブルデイでとヴィーチの2人だった。
 昨日トップだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は226.609mph21番手。昨日2番手だったシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は226.831mph15番手。誰もがトラフィックでの走行テストにフォーカスしており、より大きなトウを得たものが大きな数字=速いスピードを記録していた。ポジションよりも、トラフィック内でのハンドリングが重要で、順位を大きく気にする必要はない。しかし、概ね上位にいるドライバーはマシンの仕上がり具合も良い。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は120周と意欲的に走り込み、226.765mphのベストで17番手だった。ベストは65周目に記録された。今日の最多ラップは琢磨のチームメイトのジョーダン・キングによる132周。琢磨は二番目に多い周回数で、グレアム・レイホールも100ラップをこなした。グレアムのベストは2227.008mph14番手だった。
 「エンジニアが今日も使用タイヤ・セット数は3セットと決めていて、1セットにつき40周も走りました。1スティントは30周ぐらいなのに、それ以上を走ったのは、どうしてもトライしたかったセッティングがあったからでした。昨日の続きでセッティングを進め、今日の中頃までぐらいは非常に順調でした。少しずつマシンを良くすることができていました。しかし、夕方になってから新しいタイヤを履いてトラフィックを走ると、様子が変わっていました。昨日よりみんなが限界に近いハイ・スピードを出すようになって、オーヴァーテイクは難しくなっていました。タービュランス(=乱気流)も大きく、トップから5台ぐらいまでは前に進んで行けるんですが、それより後ろは走るのが大変でした。明日は予選シミュレーションも行いつつ、レース用セッティングも進めて行く計画です。ターボのブーストが上がる金曜日にならないと予選用の本当のセッティングというのはできないんですが、4ラップ連続で安定した走りが可能なセッティングというものを、ある程度まで仕上げておく必要があるんです」と琢磨は話した。

以上

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