2020年8月15日土曜日

2020 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第104回インディー500 Day2 プラクティス2: 「相当緊張感を高めて車を作っていっています。自分たちの中ではよい方向に行っている手ごたえはあります」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「トップタイムに行けてるという過程が大事」

――ほぼ1日トップでしたね。それだけのスピードが出たのは、マシンの仕上がりが良いってことですか?

佐藤琢磨:トップ・タイムに大きな意味はないかもしれないけど、そこに行けてるっていう過程が大事で、クルマが悪ければ、当然スリップを使って相手のクルマに近づいてタイムを出すことはできないので、そういう意味では、昨日から僕らは着実に前進したと思います。

Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大
 「後半はだいぶ集団に近づいて走れるようになった」

――今日はトラフィックの中で前を走るマシンを抜くことができていましたか? 集団の中でのマシンの安定感は確認できました?

佐藤琢磨:確認はできたんですけど、抜けない。ホントに抜けない。今日は相手がちょっとミスったとかじゃないと。あと、相手の装着しているタイヤの周回数とかがわからないけれど、そういうのも影響してなのか数台……いや、2台ぐらいじゃないかな、抜けたの。あとはもう膠着状態ですね。一度集団の中に入ったら、もうホントに動けない。それは去年よりもずっと辛いですね。ニュー・タイヤを履いてって、それで集団に合流しても、すぐに抜けないんですよ、ニュー・タイヤなんだけど。すごい難しい。ただ、クルマの動きとしては、今日のプラクティスの最初のうちはなかなか近づけなかったんだけど、後半は大分近づいて走れるようになっていたし、集団を一度引っ張ってもみたんだけど、219mphの後半とかのラップ・スピードでそれができたので、非常にペースとしては良かったと思います。

――練習時間が今年は更に少なくなっている。その難しい状況下、ススッとセッティングを良くできたということでしょうか?

佐藤琢磨:相当緊張感を高めてクルマ作りをしています。すべてをバック・トゥ・バックで試すわけにも行かないので、ピン・ポイントでやりたいところを着実にやるって感じにしています。プログラムはチームメイト3人に分けているところもあるし、共有しているところもある。自分たちの中では、良い方向に向かっているんじゃないかなっていう手応えはあります。

「去年よりタイヤの持ちは良くなっていますが
スクリーンで重心が高くなっているのでパフォーマンスは低下」

――エアロスクリーン装着でマシンの重心が高くなっていますが、タイヤの摩耗は早いですか?

佐藤琢磨:摩耗は結構いいんですよ。持ちがいい。それは多分、新しい、黒い路面のサーフェイスへのトリートメントによるものだと思います。なので、タイヤの摩耗は去年よりいいんですけど、絶対的にグリップということで言うと、重量物があれだけ高いところにあるので、クルマのパフォーマンスとしては落ちていますよね。33ラップぐらい走るとして、最後の方のタイヤがタレてきて苦しい状態が、もしかしたら去年よりいいのかもしれない。ただ、タイヤの持ちがいい分、周りもそこそこのグリップに助けられてペースが落ちないんですよ。だから抜けない。

「もうちょっと相手を抜きたい」

――そこは痛し痒しですね。

佐藤琢磨:どっちなの? って。もうちょっと相手を抜きたいなぁ……って感じはありますね。先頭を走って、空気の壁を受けている人と、その後ろの2番手を走っている人はポジションを入れ替えたりとかがあるかもしれないけれど、3番手以下は本当に難しい。

――明日の予選はブーストを上げて走り込みますか?

佐藤琢磨:もちろん上げますよ。上げない人はいないでしょう、おそらく。だって、予選用のセッティングで走るのはすごく難しくなると思うから。去年と比べ、今年のマシンは空力効率が落ちています。ドラッグが増えて、ダウンフォースは小さくなっているんですよ。だからコーナリング速度が落ちている。だけど、ハイ・ブーストでターン1に到達する時の速度は上がるので、危ない。去年のように空力をトリムして、リヤ・ウィングの角度がマイナス9度とかは、おそらくできないでしょうね。0度とか、行ってもマイナス2度とか? わからないけど。コンディションにもよりますしね。

「シボレーは手の内を明かさないので
パフォーマンスがどうかはわからない」

――2日連続でホンダ勢がトップを取ってますが、過去2年はシボレーがインディーで勝っていおり、パワーで優位にあったと見えていました。今年のエンジンのパフォーマンスは、昨年よりも拮抗していると感じていますか?

佐藤琢磨:わかりません。向こうがどういうミクスチャー(燃料と空気の混合)で走っているかがわからないので。こっちはそんなに余裕はないですよ。結構ギリギリのところまでレース用ミクスチャー、予選パワーも試してます。シボレーもところどころではチェックをしているんだろうけど、ニュー・タイヤとのコンビネーションではやっていない可能性が高いですね。毎年のことで、シボレーはここ(インディー)では最後まで手の内を明かさないので。明日はもう隠す必要がないので、160バールのフル・ブーストで走ると思いますけど。

――琢磨選手としては、やっぱりトップ9に入りたいですよね?
佐藤琢磨:トップ9、行きたいね。去年、ホンダ勢でも入った人が2〜3人いました。僕は1回目のアテンプトで3周目にスピードが下がって、2回目のアテンプトをやろうとしたんだけど、時間切れで行えなかった。今年はトップ9、行きたいですね。

――今日の感じだと、入って行けそうですが?
佐藤琢磨:わからない。本当にこればっかりは。

――アンドレッティ・オートスポートが速い。
佐藤琢磨:単独で彼ら、速いね。でも明日、自分たちも純粋なスピードをどれだけ出せるか、試します。
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿