2020年8月22日土曜日

2020 INDYCARレポート 第104回インディー500 Day6 ファイナル・プラクティス:最速はパト・オーワード! 佐藤琢磨は4番手!!

Photo:INDYCAR (Walt Kurn) クリックして拡大
涼しい気温の中で迎えたカーブ・デイ

 今日はファイナル・プラクティス。走行開始は午前11時で、2時間のセッションだった。気温は涼しいとさえ感ずる24℃しかなく、最高は27℃だった。今年のレースは午後2時30分と例年より遅いスタートとなる予定で、今のところ快晴で最高気温は31℃という予報になっている。レース時のコンディションは、少なくとも今日より暑くなる可能性が考えられるわけだ。パンデミックのせいで3ヵ月遅れの8月開催となっているインディー500は、好天続きで進んできている。プラクティス開始から雨で走行に影響が出たことはなく、雨が本格的に降ったのは予選終了後の火曜日だけだ。しかも、8月であるわりに、気温はずっと高くない。走行のあった日で記録された最高気温は32℃だが、30℃以下の時間の方が長かった。




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 予選15位のパト・オーワードがシヴォレーに首位をもたらす
 今日はレース・モードでの走行なので、レースの日と同様にターン4を回ってからピット・インをしてよい。クルーたちは、このセッションの間にピット・ストップの練習を繰り返した。
 走りも当然、レースを想定してのもの。ドラフティングが各自のベスト・ラップに影響を与えるため、より大きなトウを得たドライヴァーが上位に来る。ただし、トップだったから仕上がりも最良というものではない。レース用セッティングでも速いスピードが記録できているという点で、下位に沈むより上位に来る方が当然よいが……。

 
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 今日の最速はパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)だった。予選15位だったルーキーだが、セッション序盤に225.355mphをマークし、とうとうそれが最後まで破られなかった。
 
ファイナル・プラクティスでアロンソは23位。ハンター‐レイとパワーに挟まれたポジションとなったが、果たして決勝用マシンの仕上がりは? Photo:INDYCAR(Chris Owens) クリックして拡大

 去年はフェルナンド・アロンソを起用するマクラーレン・レーシングと提携していたカーリンからの出場で、アロンソともども予選落ち。決勝を走っていないので、今年もルーキーとされている。チームメイトのオリヴァー・アスキュー(正真正銘のルーキー)も今日5番手につけた。レギュラー・シーズンも好調の彼らはインディー500決勝に向けての準備も整っているようだ。アロンソは23番手と目立ち切れなかったが……。

好調、ディクソン! どんなコンディションでも超絶の安定ぶり
AA勢3台トップ10入りするもマルコは28番手とタイム伸びず

 

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  2番手につけたのは、予選も2番手だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。59周をこなした彼は、セッションが後半に入ってから、224.646mphを37周目に記録した。シリーズ・チャンピオンに6回なっている彼が、インディーでの2勝目を挙げる可能性は、今日の安定した走りでまた一段と高くなったのではないだろうか。

ヒンチクリフ、ロッシ、ハータのAAドライバー3人が走行開始を待つ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  逆に、ポール・シッターのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンドレッティ・アンド・カーブ・アガジェニアン)は、70周を走って33台中の28番手だった。チームメイトたちを見ると、アレクサンダー・ロッシが3番手、ザック・ヴィーチが6番手、ジャック・ハーヴィー(提携チームのメイヤー・シャンク・レーシング)が9番手と戦闘力が突然失われてしまったわけではなかったようだ。ジェイムズ・ヒンチクリフは12番手、コルトン・ハータ((アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)は13番手、ライアン・ハンター-レイは22番手だった。

 前述の通り、3番手は予選9位だったロッシ=224.599mph。昨年シモン・パジェノーと優勝を争った2016年ウィナーは、インディーでの2勝目を挙げる大きなチャンスを掴んでいる。

佐藤琢磨、好調を維持し4番手タイム
「よい準備ができた」

 

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 そして、4番手が佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。予選は自己ベストの3位でフロント・ロウ・スタート。ファイナル・プラクティスでは85周を走り込み、39周目に今日の自己ベストとなる224.580mphをマークした。「抜くのは大変だった。しかし、試したいと考えていたものは試せたし、よい準備ができた」と走行後の表情には手応えが表れていた。彼のチームメイト2人、グレアム・レイホールとスペンサー・ピゴットは25、26番手と今一つだった。

シヴォレー、予選から向上を果たしトップ9に3人!

ホンダ優位だが決勝に向け実力伯仲か

 チーム・ペンスキーは、予選13位だったジョセフ・ニューガーデンが223.764mphで7番手につけ、昨年のウィナーでえあるパジェノーが14番手。、エリオ・カストロネヴェスは17番手でウィル・パワーが24番手だった。


ペンスキー4台のドライバーとマシンがパゴダを背景に記念撮影 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  シボレー勢はトップ・スピードをマークし、上位に入る人数も予選より多くなっていた。マクラーレンの若い2人がトップと5番手で、ニューガーデンが7番手。予選ではトップ12の11人がホンダ・エンジン・ユーザーだったが、ファイナル・プラクティスではシボレー勢がトップ9に3人が入り、トップ12では4人がシボレー・ドライヴァーだった。ホンダ勢がトップ9に6人、トップ12に8人と依然として優勢を保っているが、トップになれなかったことも示している通り、予選よりも2メーカーの実力は伯仲している。
以上

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