2021年5月19日水曜日

2021 INDYCARレポート 第105回インディアナポリス500 プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ Day1 プラクティス1、2:プラクティス初日、最速はウィル・パワー+チーム・ペンスキー+シヴォレー

 雨のため午後のプラクティス2の走行時間短縮に

 雨の予報が出ていた第105回インディアナポリス500・プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジのプラクティス初日は、ルーキー・オリエンテーション・プログラム(ROP)がスケジュールされていた日中の時間帯に雨が降ったため、ヴェテラン勢も午後の走行時間短縮を余儀なくされた。ルーキーたちの走る時間も十分ではなく、4月初旬のテストに参加しなかった1人がまだプラクティスへの参加資格を手にできていない。


午前のプラクティス1の最速はレイホール
午後はすぐさまタイムアップし、パワーが初日トップに

 そのような状況下、今日の午前、午後に行われたプラクティスで35人のドライヴァーが合計2,255ラップ(ルーキー・オリエンテーション・プログラムを除く)を走り込んだ。
 午前中の最速はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)の223.49mphで、2、3番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)の223.420mph、3番手はルーキーのスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)の222.836mphだった。これらのスピードは午後のセッションが始まるや、すぐさま塗り替えられ、最速ラップはセッションの終了が近づいた夕方の5時半過ぎに記録された。2018年インディー500ウィナーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が226.470mphを記録したのだ。もちろんドラフティング利用でのものだった。午後のセッションは予定では午後3時から6時までの3時間だったが、雨によって午後4時10分から6時までの1時間50分へと短縮されていた。

パワー、トラフィックでのハンドリングに手応え
「トップ3台は去年より接近して走れる」


 「最速ラップは大きなトウを得ただけのこと。それより、今日は2〜3台が前を行くトラフィックの状況でマシンのハンドリングが近頃得られたことがなかったぐらいに良かった」とパワーは走行後に語った。新エアロ・ルールでのマシンのセッティングは順調に進んでいるということのようだ。「トップ3台は去年までより接近して走れるので、順位を入れ替えながらのバトルを行うことになるだろう。ダウンフォース増はそういうレースを可能とする。ファンは楽しめるはずだ」。

2番手タイムのハンター‐レイ、週末の気温上昇を視野に

 2番手は2014年インディー500ウィナーのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)の226.371mphで、「プラクティス初日。リスト・アップしてあったことを着々とこなした。そして、いいラップを記録できた。マシンのハンドリングも良かった。ただし、今日は涼しかった。それがドライヴィングし易くしていた。週末に向けて暑くなって行く予報なので、セッティングも変わって行くものと思う」とコメント。

佐藤琢磨、初日3番手タイムとイニシャルセット好調

 3番手は2017、2020年と2勝しているディフェンディング・チャンピオンの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。226.132mphをマークした。「単独走行で車高のチェックを行い、ウィングの角度も試しました。午後には多くのトラフィック・テスト、連続周回もまずまずの長さのものを2回やりました。2回目より1回目の方が良かったですね」と。初日は上々の成果を得られた様子だった。

 走行初日は優勝経験を持つヴェテラン勢がトップ3を占めた。
 4番手にはスポット参戦のセイジ・カラム(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/シヴォレー)が入る大健闘。彼のスピードは225.942mphだった。5番手は昨年から上位に顔を出すことが多くなっているコナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)の225.640mph。6番手以下は、2019年ウィナーのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)=225.230mph、今年の第4戦でキャリア初勝利を挙げたばかりのパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP/シヴォレー)=225.146mph、2008年ウィナーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=224.988mph、エド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン/ホンダ)=224.651mph、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)と続いた。4〜10番手の7人には若手5人が食い込んでいた。
 エンジン別で見ると、トップがシヴォレーで、2、3番手がホンダ。4、5、6、7番手にシヴォレーが並び、8〜10番手がホンダと、トップ10は5台対5台のイーヴンだった。

パロウ、ハータ、ヴィーケイは大人めのインディー500初日

 開幕戦ウィナーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は23番手、第2戦ウィナーのコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)は20番手、第5戦ウィナーのリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)は、15番手と今シーズンすでに優勝している若手3人の走行初日は大人し目だった。
 唯一ROPを受けているRC・エナーソン(トップ・ガン・レーシング))は、3段階あるうちの2段階目の半ばまでを終了したところ。4月初旬の2デイ・テストに間に合わず、つい先日、セント・ルイス近郊のショート・オーヴァルでマシンのシェイクダウン・テストを敢行してインディ入り。チームもこのレースのためにクルーを集めたもので、初挑戦を行なうための準備は十分とは言えない。明日、彼には全員が走る12時からのプラクティスの前に1時間、最後のチャンスが与えられる。雨が降らず、順調にスピード・アップして出場権を得られるといいのだが……。
以上


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