2022年5月18日水曜日

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day1 プラクティス2:プラクティス2は佐藤琢磨がトップ

プラクティス初日の午後のセッションで佐藤琢磨が228mphでトップタイム! インディー500での3勝目にフォーカスする佐藤琢磨にとって幸先のいいスタートとなった Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

マルコ・アンドレッティがセッション序盤に222mphをマーク
マクロクリン、エリクソンが223mphで逆転!

 プラクティス2は午後3時からの3時間。プラクティス1以上に各チームとも積極的にトラフィック・テストを行った。
 気温はプラクティス1終了時より4度アップの27℃、路面は18℃アップの53℃でセッションはスタートした。しかし、午後になって風が幾分強まり、最高気温はセッション開始時の27℃。雲が広がることもあり、路面温度は基本的に徐々に下がって行く方向だった。
 まずはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ&カーブ・アガジェニアン)が222マイル台のトップスピードをマーク。これをスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が続けて223マイル台を出して上回った。


ローゼンクヴィスト、225mph!パロウが226mph!
ドラフティング利用でスピードアップ


 走行開始から15分ちょっとでフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)が225マイル台でトップに躍り出、それをアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が226マイル台で上回り……と徐々にスピードは上がって行った。暑さはスピード・アップの障害となるはずだったが、コース上を周回するマシンの多さからドラフティング利用は当たり前となっていて、タイミング次第で実力以上の大幅スピード・アップが実現されてしまう状況になっていた。

ディクソン、227mphでトップに立ったところで
思わぬ闖入者でプラクティスが中断


 35分ほどが経過したところで午前中のトップ・タイム保持者であるスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が227.768マイルをマーク。またしてもトップに立った。今日はディクソンが両セッションともトップを取るのか……と思われた。

 プラクティス開始から1時間弱の時点で、コース上に”キツネ”登場で今年最初のフル・コース・コーションとなった。インディーではうさぎがマシンのフロント・ウィングにぶつかって秒殺されたことが過去にあったし、他のコースでなら鹿が出てきた……なんてこともあった。しかし、結構な街中のインディアナポリスのコースでキツネ出現によってイエロー……というのはこの33年間で初めてだ(私の記憶が確かであれば)。
 風はターン4からターン1方向か、ターン1からターン2方向に吹き続けた。チップ・ガナッシ・レーシング、アンドレッティ・オートスポートがトラフィック・テストを行い、1スティントに近いロングランを行うチームも幾つか見られた。

佐藤琢磨、228.989mph!残り6分でディクソンを逆転

Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

  ディクソンのトップが長いこと続いたが、走行時間が残り6分を切ってから佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)がトップの座を奪った。彼の63周目は228.989mphと午前中トップのディクソン(227.119mph)を大きく上回った。

「本格的走行は午後からとなってしまいましたが
最終的にチームとしてよい一日とすることができました」

Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

  琢磨はセッション終了後、「午前中にインディー500用のマシンをシェイクダウンしたのですが、フィーリングがおかしかったのでピットに戻り、原因を究明するためにガレージにマシンを戻しました。それで本格的な走行は午後からになりました。大きく出遅れたワケですが、午後のセッションではまず単独走行でのデータ取りから始め、マシンのフィーリングを確かめながらペースを上げて行きました。そして、最後にトラフィックで走行。今日のベストとなるスピードを記録した時は、ドラフティングを思い切り使って高いスピードを出すことを狙って行きました。新品タイヤを装着してもいたので、うまくタイムを出すことができましたね。午前中にほぼ走れない状況に陥った時にはいったいどうなることかと心配しましたが、最終的に今日はチームとして良い1日にできたと思います。チームメイトのデイヴィッド・マルーカスも上位につけることができていました。まだトラフィック内でのマシンの動きには気になるところがあります。今日のデータを見直し、明日からのプラクティスに臨みたいと思います」と語った。

「まだ誰も本当の力を出していない」と語るディクソン
「勝つには明日以降も毎日が重要になる」

 ディクソンは、「マシンの戦闘力はかなり高いと思う。しかし、まだ今日は1日目。誰も本当の力を見せ切ってはいない。今後、セッティングは山場を迎えて行くことになる。僕らは強力な5台体制なので分担作業をしており、多くのテストをこなすことができている。走り出しからマシンは良く、今日の走行で進歩をさせることができた。しかし、常に進歩の余地はあるもの。明日以降も毎日が勝つためには非常に重要になる」と話していた。

午後のトップ10は以下の通り。
1 佐藤琢磨 228.939mph
2 スコット・ディクソン 227.768mph
3 ジミー・ジョンソン 22.722mph
4 マーカス・エリクソン 227.094mph
5 リナス・ヴィーケイ 226.995mph
6 アレックス・パロウ 226.973mph
7 デイヴィッド・マルーカス(R) 226.448mph
8 ジョセフ・ニューガーデン 226.368mph
9 トニー・カナーン 226.292mp
10 マルコ・アンドレッティ 226.085mph


 元NASCARチャンピオンのジョンソンは、ストリート&ロードコースではまだ戦闘力を得ることがほとんどできていないが、オーバルではチップ・ガナッシ・レーシングの素晴らしいマシンを味方につけることができている。
 チップ・ガナッシ・レーシングはエントリーしている5人全員が午後にはトップ10入りした。
 デイル・コイン・レーシングも2台が揃ってトップ10。
 シヴォレー勢はヴィーケイとニューガーデンの二人しかトップ10入りできなかった。
以上

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