2025年8月31日日曜日

2025 INDYCAR レポート R17 ボーシェッタ・バーボン・ミュージック・シティ・グランプリ Day1 プラクティス1:最速はパト・オーワード! 彼らのライヴァルは今年もアンドレッティ勢か?

 

Photo:Penske Entertainment

オーワード、昨年のカークウッドのPPタイムをいきなり更新

 最終戦ボーシェッタ・バーボン・ミュージック・シティー・グラン・プリの最初の走行セッションが土曜日の朝9時過ぎから行われた。快晴、気温24°C、路面温度31°C、微風という快適なコンディションでの1時間のセッションでは、ほぼすべてのチームがブラック・タイヤでのレース用セッティング、ブラック・タイヤでの予選シミュレーション、そして今年もナッシュヴィルで投入されるレッド・タイヤでの予選シミュレーションを行うプログラムをこなしていたようだった。

 最速ラップをマークしたのはパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)で、もちろんレッド・タイヤ装着によるタイム=23秒6612が記録された。最初のプラクティスで昨年のカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル/ホンダ)による予選最速ラップ=23秒7487が破られた。


2番手はカークウッド、3番手にはマクラーレンのルンドガールド

 そのカークウッドがセッション2番手につけた。彼のベストは23秒7059。彼も自身による昨年の最速ラップを上回った。もちろんレッド・タイヤでの記録。

 3番手は最終戦の成績いかんでランキング3位になれるクリスチャン・ルンドガールド(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)=23秒7447=レッド・タイヤ。

 そして、4番手は昨年度ウィナーのコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)=23秒7473=レッド・タイヤ。マクラーレンとアンドレッティ、2チームがトップ4ポジションを分け合った。

ランキング3位争いに臨むディクソンも5番手タイム

 5番手はランキング3位を守ってシーズンを終えたいスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)=23秒7478=レッド・タイヤ。こまでが昨年のカークウッド超えを達成。ディクソンのベストはカークウッドのものより0.0009秒=1万分の9秒速いだけだったが……。ディクソンの今回のベストは、ひとつポジションが上だったハータとの差も1万分の5秒という小ささだった。

 6番手はデイヴィッド・マルーカス(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)。彼は23秒7518という、カークウッドの昨年の最速ラップに惜しくも届かない自己ベストをブラック・タイヤで記録していた。

シーゲルも7番手につけ、マクラーレンは全車トップ10入り

 7番手はノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)=23秒7629。こちらもレッド・タイヤ使用。マクラーレンはこのセッションにおける最優良チーム=P1、P3とP7と3人全員がトップ7入りし、他のシヴォレー勢は、チーム・ペンスキーも、先週のミルウォーキーで勝ったばかりのエド・カーペンター・レーシングら全員が彼ら3人より後方のポジションだった。

 8番手がペンスキー勢でトップのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)=23秒7697。9番手はサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)=23秒7790=レッド・タイヤ。

 そして、トップ10最後のスポット=10番手はアレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)=23秒8043=レッド・タイヤ。マクラーレン、アンドレッティ、ガナッシ、フォイト、ペンスキー、カーペンターと、6つのチームがトップ10にドライヴァーを送り込んだ。

パロウ、ピットアウト時にスピン!

 2025年チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は16番手だった。ブラックでは快調に走って6番手につけていたが、自身の29周目を始めようという時、ピットからの加速レーンでスピン(!)
イエロー・フラッグを出し、ピットに戻ってからレッドにスイッチしたが、そこからのタイム更新合戦で上位に留まり続けることができなかった。イエローを出したペナルティーとして5分間の走行時間削減をさせられたところも影響しただろう。

 スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は11番手。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は12番手。今週活躍しそうなマーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)が13番手。

ルーキー・オヴ・ザ・イヤー争いはフォスターが好発進

 ルーキー・オヴ・ザ・イヤー争いをリードしているルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、黒/金の神カラーリングのマシンで14番手につけ、彼を8点差で追うロバート・シュウォーツマン(プレマ・レーシング/シヴォレー)は23番手。

 先週キャリア初優勝を達成したばかりのクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)は19番手。

 新スポンサーを得てカラーリングも一新して来たリナス・ヴィーケイ(デイル・コイン・レーシング/ホンダ)は、40周を走ったが、ルーキー・チームメイトのジェイコブ・エイベル
のひとつ後ろの26番手。

 グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は、55周も走ったが、最下位の27番手だった。

積極的な走り込みを見せたディクソン

 最も多い60周回をこなしたのはシュウォーツマンと、インディーカー参戦2年目のキフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。最少はナッシュヴィル出身のニューガーデンによる26周だった。

 上位陣では、ディクソンが49周と積極的な走り込みを行っていた点が目を引いた。ヴェテラン・ドライヴァーは周回数少なめのことが多く、先週のミルウォーキーでのプラクティス1では、最多のシュウォーツマンによる64周とは対照的に少ない24周しかニューガーデンは走らず最少だった(トラブルを出したドライヴァー除き)。今日もニューガーデンは最少だった。ミルウォーキーのファイナル・プラクティスで最多ラップを記録していたディクソンが、ナッシュヴィルでのプラクティス1で49周という多くのラップを重ねていた点は興味深い。何かレース・ウィークエンドへの取り組み方を変えて見る事をトライしているのだろうか?
それとも、ランキング3位死守にそれだけ強い危機感を持っているということか?
彼からその座を奪取すべく、虎視眈々と狙っているルンドガールドは、ナッシュヴィルでの最初のセッションで3番手につけ、好調ぶりを見せつけている。
以上


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