2013年5月30日木曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500:トニー・カナーン・ストーリー 後編 誰もが喜んだカナーンの優勝


Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大

インディー500での不運ぶりにようやく終止符

 今年のインディー500の最後のリスタート前、スピードウェイのアナウンサーがファンに聞いた。「ハンター-レイの優勝を見たい人」。続いて、「TKに勝って欲しい人!」……ファンの声はTK支持が断然大きかった。
 RHRはアメリカ人で、去年のチャンピオンなのに……。それでもファンがTKを支持するのは、彼らがTKのインディーでの歴史を見てきているからだ。勝ちたいという気持ちがストレートに伝わる走りを彼は見せ続けてきた。
 一方のRHRは、今年が6回目のインディーで、これまでのベストリザルトは08年の6位。20位以下が3回あり、そのうちの1回は32位……ブリックヤードでのプレゼンスは弱い。ファンのハートを掴むにはもうちょっと奮闘する必要がある。


情熱の走りでもぎとった勝利に沸いた
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 TKのインディーでの不運ぶりは、それがトレードマークのアンドレッティ家に肩を並べつつあった。彼自身、「俺はここで勝てない運命になってるのかも」と考え出していた。それでもTKはスタイルを変えず、インディーにかける熱い情熱を全力の走りに注ぎ込んできた。
 最後のリスタート、スピードウェイ全体が沸き上がった。そしてクラッシュ発生……トップに立っていたのはTK。そのまま彼がウィナーとなれるのか?
 そしてレースはイエローのままゴールを迎えた。彼がチェッカーフラッグを受けた瞬間、インディアナポリス・モーター・スピードウェイがまた一段高い歓声に包まれた。
 出場ドライバーたちもその喝采の大きさに驚き、感激していた。彼らもTKの勝利を大歓迎だった。彼の献身ぶりや情熱をよく知っているからだ。それはクルーたちも同じで、ウィニング・ラップを終えてTKがピット・レーンへと戻ってきた時、彼らは作業の手を止めて拍手を贈っていた。

以上

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