2013年7月12日金曜日

2013 INDYCAR レースプレビュー 第12戦・第13戦トロント:ココで強いのはハンター-レイ、フランキッティ、パワー、ウィルソン。彼らに挑むヒンチクリフ、コンウェイ、パジェノー、琢磨


この週末、シーズンが大きく動く予感!

 19戦のチャンピオンシップはもう後半戦に入っている。トロントのダブルへッダーは12、13戦目で、タイトル争いに大きな影響力を持つものとなりそうだ。
 トロントの歴代ウィナーは以下の通り。
 2012年 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)
 2011年 ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
 2010年 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
 2009年 ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
 フランキッティが2回優勝している。彼は初ポールもトロントだった=1997年! マシンはホーガン・レーシングのレイナード97i・メルセデス・ベンツ。タイヤはファイアストンを装着していた。いやぁ、懐かしい。
 2008年はレース開催ナシで、2004年から2007年のチャンプ・カー時代にはパワー、セバスチャン・ブルデイ、ジャスティン・ウィルソン、AJ・アルメンディンガーが勝っている。

マイケル・アンドレッティ、実に7勝! ボビー・レイホールは1勝
 その前のCART時代に遡ると、マイケル・アンドレッティが7勝(89、91、92、94、95、00、01年)と驚異的な成績を残しており、彼のライバルだったアル・アンサーJr.が2勝(88、90年)。トロントが地元のポール・トレイシーも2勝(93、03年)。ボビー・レイホール、エマーソン・フィッティパルディ、アドリアン・フェルナンデス、マーク・ブランデル、アレックス・ザナルディ、クリスチアーノ・ダ・マッタが1勝ずつを挙げている。最多勝利のマイケルと、86年の第1回大会ウィナー=レイホールが現在はチーム・オーナーになっており、マイケルはオーナーとしてもすでに1勝をマークしている。レイホールは94年に2位フィニッシュしているが、それはホンダ・エンジンがインディーカーで初めて表彰台に上がったレースとなった。
 最多ポール獲得はフランキッティの4回。チームとしての最多勝利はニューマン/ハース・レーシングの7回だ。

トロント得意のパワー、フランキッティ、ハンター-レイは、今年まだストリートでの優勝なし 

 去年はハンター-レイが優勝し、チャーリー・キンボール(ノボ・ノルディスク・チップ・ガナッシ・レーシング)がキャリア初の表彰台となる2位フィニッシュを達成した。そして、マイク・コンウェイ(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は終盤にオリオール・セルビア(パンサー/ドレイヤー&レインボールドレーシング)とトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)をパスして3位となった。
 その前の2011年にはターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングが1-2フィニッシュで、3位はハンター-レイ。2010年はウィナーがパワーで、2位がフランキッティ、3位がハンター-レイだった。
 こうして見ていくと、2010年の表彰台に並んだ3人がトロントを得意としているとわかる。しかし、今年のストリートレースで彼らは勝てていない。デトロイトのダブルへダーで勝ったのはコンウェイとシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)。サン・パウロで勝ったのはヒンチクリフで、惜しくも2位に敗れたのが佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。その琢磨はサン・パウロの前のロング・ビーチで優勝している。開幕戦セント・ピーターズバーグではジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)が勝っている。

デイル・コインから出場のコンウェイは要注目!
もちろん佐藤琢磨も優勝候補の一人!!


 コンウェイは今回もデイル・コイン・レーシングから出場の予定。トロントで実績のあるウィルソンとのコンビという点でも彼らには要注目だ。
 琢磨も優勝候補のひとりだ。この2シーズン、彼のストリートでの速さは際立っている。その上、去年コンウェイを3位でゴールさせたエンジニアリングが今年の彼にはある。
 もう一人の注目はヒンチクリフだ。彼が言われている通りの逸材であるなら、地元でのレースなど、特別なイベントで普段以上の強さを発揮するはずだ。幸いなことに、ヒンチには2回もチャンスが与えられる。
 パジェノーとトゥリスタン・ボーティエのフレンチ・デュオも要チェックだろう。

必見!! 土曜日の第12戦はスタンディングスタート

 意外にもトロントと相性が悪いのはディクソン、エリオ・カストロネベス、カナーンのベテラン3名。そして、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。ディクソンは2011年に2位に1回なっているだけ。カストロネベス、カナーン、アンドレッティの3人に至っては表彰台に上ることすらできていない。
 トロントが地元といえばヒンチだが、同じくカナダ出身で人気の高いのがベテランのアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)。ただ、タグもトロントで表彰台フィニッシュを経験していない。毎度のことなら、速さは見せるものの……というパターンが多いためだ。
 トロントのエキジビジョン・プレイス内道路と一般道を使ったトロントのコースは、路面にバラエティがあってトリッキー。長い長いストレートの先、ターン3のハードブレーキングではオーバーテイクが頻繁に起こる。ストリートとしては順位変動の起こり易いコースといえる。今年は土曜日決勝の第12戦でインディーカー初のスタディングスタートという新しい試みも行われる。

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