2015年5月17日日曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第99回インディー500 Day6 5月16日 予選1日目 中止 その1:「今日の自分たちは良かったので、できれば予選をやってみたかったです」

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「230mphで4周を続けて走れたっていうのは初めての経験で
それはすごくポジティブでした」


Jack Amano(以下――):予選に向けて気持ちを高めて行ってたと思うんですが、中止になっちゃいました。

佐藤琢磨:プラクティスが多くなる分には自分たちの走りを最適化ができるのでいいと思うんですが、周りも一緒なんですよね、そこは。そう考えると、周りと比べてっていう相対的な話になってしまいますけど、今日の自分たちはとても良かったので、できれば今日、やっぱり予選をやってみたかったなっていう気持ちが強いですね。
 特に、昨日が気温が高くて、グリップ感やバランスを掴むのが難しいコンディションだったんですけど、今朝は一転してすごい涼しくて、クルマの動きも非常に良くて、軽いトウがあったんですけど、230mphで4周を続けて走れたっていうのは初めての経験でしたし、それはすごポジティブだったので、本当は予選を走りたかったです。

――朝のフィーリングがかなり良かったんですね?

佐藤琢磨:他のドライバーたちも同じ感じだったと思います。朝の気温が低くて、それだけでダウンフォースは大きくなりますね。もうひとつは、路面温度も低かったのでタイヤの熱ダレみたいのもなくなるので路面のグリップ感もあがるので、相乗効果で昨日の午後とは比べものにならないぐらいに乗り易いマシンになってました。ほとんどレース・カーみたいなスタビリティがありましたね。できれば、もっとトリムして、ダウンフォールとドラッグを両方取り除いてもいいんじゃないか? って思えるぐらいクルマはすごく安定してました。

「僕が走り出す前に降り出してしまうと思っていましたが、準備もしてました」

――雨が予選中に来る可能性についてはわかっていたと思います。でも、雨がまだ3台目が走り出したぐらいの時点で来るという予測はついてましたか?

佐藤琢磨:午前中にプラクティスを走っている間は、どっかのタイミングで今日は雨になるかなっていうのがわかってました。それが、お昼が近づくに連れて、レーダーを見ても明らかに雨雲は来てて、降り出すのは時間の問題だろうなって感じでしたね。だから、全員が1回予選ができる状況であれば、早めにやってしまうっていうのはアリだと思ってましたけど、真ん中ぐらいで絶対に雨が来ると思ってたので、あの状況で予選を始めたっていうのは、僕にはちょっとわからなかったですね。

――つまり、佐藤選手としては自分にアタックの順番が回って来る可能性はほぼナシだとわかってた感じでしたか?

佐藤琢磨:そうですね。レーダーを見てた限りでは、僕が走り出す前に降り出してしまうだろうなって思ってました。まぁ、そうは言っても準備はしてましたし、走りたかったんですけど。

興味深かったハンター‐レイのアタック

――では、予選を走ったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)のスピードについては、どういう印象を持ちました?

佐藤琢磨:そうですね、朝は僕らはできるだけ前のクルマとの車間を空けて、なるべく単独で走るようにしてるんですけど、そうは言ってもスピードウェイ上を4~5台が走ってると、それだけで空気が渦巻き状にというか、動いてしまうので、どうしても朝のプラクティスっていうのはスピードが伸び易い方向にあるんですね。ですから、朝のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のスピードと、ハンター-レイの朝のスピードと、彼らの実際の予選のスピードを見るのは非常に興味深かった。特にライアンの走りに関しては、最初のラップは230mph台に載せてたんですけど、最後は落ち込んで来て、229mph台に入って来てましたから、朝の走りよりもちょっと抵抗が増えているんだな、と。あるいは、それを見据えて、単独走行でも抵抗が増えないよう、更にトリムをしていた可能性もある。それによってアタック1周目のスピードは朝に彼が記録した、トウがあったのと同じスピードを保つことができていたんですけど、その後にタイヤが滑ってでグラデーションが出てしまった……みたいでしたよね。あのスピードの落ち込みが結構大きかったので、アレを参考にして、あんまりウィングを削り過ぎるとそういうカタチになってしまうから、できれば4周を同じスピードで走れるようにしたいので、そういう事を学ぶしかないって感じでした。

「自分が朝に出した230.8mphとか230.9mphを予選でも実現したいですね」

――となると、ディクシーのアタック、1周目に231mphが出てました。

佐藤琢磨:あれは正直言って届かないです。ギヤも違うし……。
――やっぱり来たなって感じでしたか。
佐藤琢磨:はい。でも、もちろんまだ僕らは予選をやってないのでわからないですけども、できれば自分が朝に出した230.8mphとか230.9mphを予選でも実現したいですね。そうしたら、もしかしたらファスト9に入る可能性も多少はあるかもしれないですから。230mphを4周の中で切ってしまうと、多分ファスト9入りは難しいと思いますね。

――そうなると、ディクソンの2周目の数字、見たかったですね?

佐藤琢磨:見たかったですね。昨日はもっともっと気温が高かったんですけど、ペンスキーもガナッシも非常に速い1周目を出しつつも、彼らも2周目、3周目をコンプリートしないで、途中でヤメてたんですね。それは彼らも多分、同じようなスピードのドロップがあることを感じてたと思うので、今日の朝、少なからずチャートを見る限り彼らのスピードはかなり安定してて、4周目までほぼ同じスピードを維持できていたので、予選でも同じ感じで走れてたのかもしれない。
その2につづく

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