2016年3月13日日曜日

2016 INDYCARレポート R1 セント・ピーターズバーグ Day2 予選:ウィル・パワーが圧倒的パフォーマンスで2年連続、6回目のセント・ピータースバーグPP

圧倒的なパフォーマンスで開幕戦PPを決めたパワー。その割に表情が浮かないが、その理由は…… Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
パワー、強豪ひしめくセグメント1を難なくトップでクリア

 金曜のプラクティス1でのアクシデントは何だったのか……。その日の午後のプラクティス2でトップ・タイムを記録したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、土曜の午前中のプラクティス3でもトップに君臨。その勢いを保ったまま予選を戦い抜き、ポール・ポジションを手に入れた。

 予選のセグメント1は2グループに分かれてのアタックだったが、後半グループでチームメイト3人らと競い合った彼は、ブラック・タイヤで2周を走ってピット・インし、レッド・タイヤへとスイッチ。再びコース・インした後の2周目に1分00秒5678を出し、トップでセグメント2に進んだ。

セグメント2はただ一人ユーズド・レッドでトップタイム

 セグメント2でのパワーは、自らのセットアップに自信を持ったようで、ブラックでのチェック走行はせずにピットで待機した。そして、10分の予選セッションが残り5分を切ってからコースに入ると、2周目に1分00秒0658をマークしてトップに立った。
 このアタックでパワーが装着していたのは、セグメント1で4周を走ったレッド・タイヤだった。ライバル勢全員がレッドの2セット目を投入していた中、ひとりだけユーズド・レッドで走り、誰よりも速かったのだ。


なんと、ファスト6でもパワーはそのままユーズド・レッドを使用!

 こうなると、ファイアストン・ファスト6によるファイナル・セグメントでもパワーが俄然有利だった。彼だけがフレッシュ・レッドを1セット有していたからだ。
 ところが、予選のファイナル・セグメントが始まると、更なる驚きが待っていた。ここでのパワーは残り4分ちょっとでピットを後にしたのだが、またしてもユーズド・レッドを装着していたのだ。セグメント1で4周、セグメント2で2周、激しいアタックを行ったタイヤだ。フレッシュ・レッドの2セット目を温存すれば、確かにレースでのアドバンテージには繋がる。しかし、少々無謀な作戦と映った。
 パワーには勝算があったということだ。彼はアタック3周目に1分00秒0245というセグメント2で記録した自己ベストを更新するスーパー・ラップを実現してみせた。まさにダントツのパフォーマンスで2年連続、セント・ピータースバーグでの6回目のポール・ポジション獲得は成し遂げられたのだった。パワーはこれまでに、2010、2011、2012、2013、2015年にPPを手に入れている。彼の5年連続PPを阻止し、2014年のPPを獲得したのは佐藤琢磨だった。

 そして、予選後にまた大きな驚きが! パワー、実は体調不良だったというのだ。それでアタック・ラップ数を最小限に収めようと考え、集中力が増したのだろうか??


圧巻、ペンスキー! 予選1-2-3-4をスゥイープ

 予選2位はシモン・パジェノー。予選3位はエリオ・カストロネヴェス、予選4位はファン・パブロ・モントーヤと、チーム・ペンスキーが1-2-3-4! 2年連続での1チームによるトップ4独占がなった。
 予選5位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)だったから、シヴォレーはトップ5独占。ホンダの最上位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)による予選6位となった。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はセグメント2で敗退。予選11位。ホンダ勢ではハンター-レイ、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)=予選7位、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)=予選9位、ジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)=予選10位に続く5番手という結果となった。


PPのパワー、体調不良で記者会見もキャンセル
 

 記者会見に出ることができなかったパワーは、チームを通してコメントを発表した。
 「ヴェエラゾン・シェビー・チームは最高の走りを見せることができた。新しいカラーリングのヴェライゾン・マシンをまたセント・ピータースバーグのポール・ポジションに着けることができ、本当に嬉しい。今日は朝から体調が悪かった。予選を戦い抜くのは大変だった。ポール・ポジションの表彰を受けた直後に体調が更に悪くなって、申し訳ないことだが、会見などに出席できなくなってしまった。予選での素晴らしいパフォーマンスはチームのおかげ。今晩は充分に休みを取り、明日のレースまでに元気になるようになりたい」。
以上

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