2016年4月8日金曜日

2016 INDYCAR ニュース 4月6日:インディアナポリス・モーター・スピードウェイで2016エアロ・キット装着マシンがテスト

トップタイムをマークしたのはマルコ・アンドレッティ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
15人のドライバーが参加、合計500ラップ以上を走行

 4月6日、ヴェライゾン・インディーカー・シリーズはインディアナポリス・モーター・スピードウェイの伝統ある2.5マイル・オーバル・コースで合同テストを開催し、シボレーとホンダの様々なスペックのスーパー・スピードウェイ用エアロ・キットの性能チェックを行なった。
 第100回インディアナポリス500・プレゼンテッド・バイ・ペングレイド・モーター・オイルを来月末に控え、参加した15人のインディーカー・ドライバーたちは、雨による中断と強い風という難しいコンディションに晒されながら、合計500ラップ以上をこなして価値あるデータの収集を行った。
Photo:INDYCAR (Chris Jones)
午前、午後ともにホンダ・ユーザーが最速をマーク

 最速ラップを記録したのはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。ホンダ・エンジン搭載、ホンダのエアロ・キット装着で、午前中のセッション中に223.427mphをマークした。午後のセッションでは、マルコのチームメイトのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が最速となる222.047mphをマークした。
 総合の3番手にはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が来た。4月5日にシボレー勢はプライベート・テストを行っているため、午後の少々リスキーなコンディション下でチーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシング・チームズは走行せず。それだけに、現時点でスーパー・スピードウェイ・スペックでホンダが優位にある……と見るのは早計だろう。
 
 インディーカーで今季からコンペティション及びレース・エンジニアリング担当副社長として働いている元レース・エンジニアのビル・パッパスは、「エアロ・キットのコンフィギュレーション・テストとして、本当に多くのパーツのコンビネーションをトライした。コンディションが最適とはならなかったが、多くのデータを集め、今日から2日間ほどで解析を行ない、5月に備えることができると思う」とコメントした。

佐藤琢磨、ライドハイトのチェックに終始


基本的なチェックを行うにとどめた佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Jones) 
 佐藤琢磨とAJ・フォイト・エンタープライゼスは、コンディションが悪いために無理して走行を重ねることはせず、ドーム・スキッド装着時のセッティングのベースラインとなるライドハイトのチェックを行うことにこの日のプログラムをとどめたことから、周回数が少なく、ベストが参加台数15台の中で最も遅かった。

プラクティス1、プラクティス2 総合結果

順位 ドライバー/チーム/ベスト・ラップ・タイム/ベスト記録プラクティス・セッション/トータル・ラップ数
1 マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート) 40秒2816(プラクティス1) 48周
2 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート) 40秒5319(プラクティス2) 30周
3 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー) 40秒6701(プラクティス1) 45周
4 ジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング) 40秒7012(プラクティス2) 44周
5 カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート) 40秒7558(プラクティス1) 25周
6 トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ) 40秒8527(プラクティス1) 16周
7 エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー) 40秒8812(プラクティス1) 20周
8 エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング) 40秒8891(プラクティス2) 51周
9 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー) 40秒8896(プラクティス1) 33周
10 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ) 40秒9668(プラクティス1) 30周
11 ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー) 41秒0768(プラクティス1) 40周
12 グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング) 41秒1676(プラクティス2) 48周
13 チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ) 41秒3271(プラクティス1) 12周
14 ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ) 41秒7899(プラクティス2) 46周
15 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス) 42秒9601(プラクティス2) 13周


*全車がドーム・スキッド・プレート=スーパー・スピードウェイでの安全性向上のために、今年からインディカーによって装着義務づけ決定しているパーツ=を装着しての走行。2015年仕様に比べ、スピンした際に6倍のダウンフォースを発生させ、壁などとの接触する前にスピード・ダウンさせる、そして、マシンが宙に舞い上がるのに必要なスピードがこれまでよりも高くなる、といった効果が期待されている。

 シリーズ・チャンピオンのスコット・ディクソンは、「ドーム・スキッドは安全性を大きく向上させる。特に、90度の角度で横向きに動く際に効果的だ。我々は常に、まずは安全を追求せねばならない。マシンが操りにくくなるのは事実だが、それをカバーするだけのダウンフォースを発生させることができている」とコメントしている。

 「スキッド装着でおもしろいことになりそうだ。レースで競い合うことが可能なセッティングを見つけるのは結構大変だろう」と218.619mhがベストだったグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は語った。
 
以上

0 件のコメント:

コメントを投稿