2020年3月13日金曜日

2020 INDYCARレポートR1 セントビーターズバーグ:セントピーターズバーグは無観客で開催


レースウィークエンド直前に衝撃的展開に

 明日から走行が始まる……新シーズンが幕を華々しく開ける……その前日の木曜日にショッキングな決断が下された。前日の夜にアメリカ大統領がホワイトハウスの執務室から、「ヨーロッパからの入国を30日間禁止」との政令を発表したのを受けてのことだ。
 プロフェッショナル・バスケットボールリーグのNBAが、一人の選手の感染を契機としてシーズン中断を即断。その影響を大きく受けたことも間違いないだろう。水曜まで平常営業をしていたディズニーワールドやユニバーサルスタジオも今日からしばらくは閉園とされ、すでにコースの設営などを完全に終えていたインディーカーは、ストリートでの開幕戦を無観客で行うこととした。


「ファン、ドライバー、チーム、そしてレースのために働く人々や
オフィシャルたちの安全のために、決断」とインディーカーは声明
インディーカーの走行は土曜と日曜に2日間に限定

 主催者他の共同声明は以下の通り。
 「本日の木曜日、インディーカーとGSRPはセントピーターズバーグ市とともに、今週末に行われる予定のインディーカー開幕戦ファイアストン・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグを無観客で開催することと発表しました。ファン、ドライバー、チーム、そしてレースのために働く人々やオフィシャルたちの安全のために、COVID19ウィルス感染のリスクを減らすことが必要と考え、決断しました。レースウィークエンドは金曜から日曜ですが、インディーカーの走行は土曜、日曜の2日間限定とします。インディーカー以外にもロード・トゥ・インディーのカテゴリー、IMSAのポルシェGT3カップなどのレースが今週末にはスケジュールされていますが、それらも圧縮されたスケジュールでの開催にします」。

 皮肉なことに、今日のセント・ピーターズバーグは快晴に恵まれ、気温も30℃近くまで上がった。週末の天気予報も上々で、エアロスクリーン装着、ロジャー・ペンスキーがオーナーとなる新体制のインディーカー・シリーズ2020年シーズンは華やかに開幕するはずだったが、サーキットにファンを入れることはしないことと決まった。テレビでの中継はもちろん行われる。


 中国で発生したと見られる新型ウィルスはこの2ヵ月少しの間に世界中に広がったが、アメリカは楽観的な対応をし続けて来ていた。しかし、感染者数がここへ来て増加し、認識は急変した。今回の無観客という決断は致し方のないものだ。

気になる第2戦アラバマ以降のスケジュール

 第2戦アラバマは4月初旬に開催が迫っているが、今日の時点ではまだ何の発表も行っていない。インディー500に次ぐシリーズ第二のイベント=アキュラ・グラン・プリ・オブ・ロング・ビーチは419日の決勝とスケジュールされているが、今日、早くもイベントの延期を発表した。「ロング・ビーチ市、各レース主催団体との協議をすでに始めました。今年中にグランプリを開催できる日程を確保できるよう努力しています。しかし、もしもそれが実現しなかった場合には、来年のグランプリ開催に全力を注ぎます」と、巨大ストリート・レースの日程を変えての開催が非常に難しいことが滲み出た声明となっていた。セント・ピーターズバーグもロング・ビーチも、チケットの払い戻しなど、詳細は後日発表することになる。
 ヨーロッパからの入国制限がとりあえず30日間=4月半ばまでと決められたように、現時点では4月まで影響が残ることが明らかになっている。イベントの延期については、4月のものまではほぼすべてが避けられないとの見方をして良いように思われる。サーキット・オブ・ジ・アメリカスでの第4戦までは、カレンダー通りの開催とはしにくいのではないだろうか。



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