2013年5月18日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント30 第97回インディー500 5月17日 プラクティス7日目 ファストフライデイ:「AJ.フォイトが、今日の走りをすごい喜んでくれました。チームもとてもいい仕事をしてくれてましたから。雨が降る前に2回のシミュレーションをやれたのはすごく良かったです」

Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
5月17日 プラクティス7日目 ファストフライデイ
227.038mph(=約365.304㎞/h) 39秒6410 10番手 14周走行

雨を見込んでのプログラムが見事に成功

 予選を明日に控えたファストフライデイ、佐藤琢磨陣営は予定どおりのプログラムをこなし、万全の準備を整えた。
 今年初めての本格的な雨があって、6時間あるはずだった走行は3時間プラスで終了となった。そのせいで思いどおりのテストを行えなかったチームもあった。しかし、琢磨陣営は天候悪化も見込んで時間を上手にマネジメントし、貴重な走行データの収集に成功した。
 明日の第一目標は、4時までの予選第一段階でトップ9に入ること。それができれば、栄えあるポールポジションをかけた戦いへと進むことができる。


「短い一日でしたけど、内容はすごく濃かったです」

Jack Amano(以下――):雨で短いファストフライデイになりましたが、2回の予選シミュレーションを行えました。その手応えはいかがでしたか?

佐藤琢磨:英語でよく"ショート・アンド・スウィート”っていいますよね。なんか今日はホントに短い1日でしたけど、すごく内容が濃かったですね。その2回の予選シミュレーション・ランの中にすごく色んな意味が込められていました。僕らは今日、すごい単純に予選の練習だけをしました。ファストフライデイということでターボのブースト圧も上がってます。昨日まではかなりレース用のクルマのセットアップに専念してましたが、昨日半分近く、あるいは7割近くまで予選用のトリミングをやっていたので、ある程度の方向性は見えていて、今日は一発目からウィングをベッタベタに寝かせて行って、最初の走行で足回りを含めて様子を見ました。そこで得たデータで2回目、さらにファインチューニングっていうか、ホントにもう小さな変化なんだけども、それをクルマに施して、一気にスピードも1mph近く上がったのかな? だからすごく良かったですね。まさか227mphまで届くとは思わなかったので、すごく良かったと思います。
Photo:Naoki Shigenobu
――2回のアタック中、自分たちが受けたドラフティングの影響っていうのは、どれぐらいあったとの評価なんでしょうか?

佐藤琢磨:ほとんど無かったですね、前とは12秒離れていたので。もちろん、誰かが走っているので、スピードウェイの中の空気は回ってしまってるんですよね。だから、明日の予選のようなスピードが出るかどうかはわからない。コンディション次第で。ただ、前のEJが今日はいたんだけど、約半周離れていたので、ほとんど影響はなかった。あったとしてもちょっとだけ。ただ、今日は4周のラップタイムをうまく集められなかった。それでも今日走ったことでわかったことはあるから、明日に向けては、それをもう少しうまくクルマが安定するように仕上げて、明日の朝、その確認をしてから予選に挑むって感じです。

「ライバル勢が後どのぐらいの力を残してるかわかりませんが、
今日と同じようなスピードが出せれがすごくいいポジションに行くと思います」


――ポールポジションの予測スピードと、佐藤選手の実現できそうなスピードを聞かせてください。

佐藤琢磨:ウーン……わからない。ライバル勢があとどのぐらい力を残してるのか、トリミングできる幅を残しているのかがわからないから。でも多分、今日と同じようなスピードを明日の僕たちが出せれば、すごくいいポジションに行けると思います。どうだろう? ポール・ポジションは230mphは行かないとおもいますけどね……わかんない。行ったら、こっちはギヤがないかもしれない(笑)。

――228mphとかは、かなりいいセンの予想でしょうか?

佐藤琢磨:はい。現実的に有り得ますね。でも、単独で今日228mph出せてた人ていないでしょ? ウィル(・パワー)も少しのトウに入ってたから、おそらく227mphの後半か、228mphに到達するぐらいですかね? そういう意味では、ウチらはコンディション次第ですね、本当に。

「AJ.フォイトのお爺さんのジミーがスタート順のクジを引いてくれました
3番手は最高のナンバーです」

――アタック順は3番手に決まりましたね?

佐藤琢磨:ウチのチームには伝説が何人もいるんです。その一番がAJ・フォイトなんですけど、そのAJをレーシング・マシンに乗せたというお爺さん、ジミーがインディーでのアタック順のクジを引くのが決まりになっているんです。このところずっとクジ運が良くなかったみたいで、今日もダメだったらテキサスにそのまま帰るつもりだったそうです。彼はテキサスじゃなく、ガレージに帰ってきてくれました。ジミーの引いてくれた3番ていうのは、奇跡に近いナンバーですね。パーフェクトです。気温がどんどん上がっていってしまうので、早い方、若いナンバーの方がいいんだけど、一番だとやっぱり路面が汚れてる。1番、2番だとウーン……って感じなんだけど、3番ぐらいから路面の埃は取れるし、3、4、5番ていうのは一番オイシイ順番なんです。その中の3番をプライマリーカー用に引いてくれて、Tカー用も5番だったんで、すごいですよ。5番も引いちゃったのは、ちょっともったいないぐらい。このすごくいいポジション、せっかくの幸運を無駄にしないように、いい走りを心がけたいですね。

――今日の走りについて、AJの反応は?

佐藤琢磨:すごい喜んでましたね。いい走りだったって言ってくれてたし、チームもとてもいい仕事をしてくれてましたから。雨が降る前に2回のシミュレーションをやれたのはすごく良かった。AJの場合は、今はコナーのことを心配しています。今日、やっぱり走らせてあげたかったよね。今日走ることで自信を戻してあげないと、明日いきなり予選で、薄いウィングっていうのは可哀想だから。今日、ホントはマイナス4、マイナス6、マイナス8っていうようにやってあげれば、彼もすぐ自信を取り戻せると思うんだけど、今日それができなかった。でも、もうそれはしょうがないですね。明日、コナーにはまた頑張って欲しいです。

以上

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