2014年8月4日月曜日

2014 INDYCARレポート 第15戦 ミッド・オハイオ Race Day 決勝:最後尾スタートのスコット・ディクソンがミラクル・ウィン!ポイント・リーダーは6位フィニッシュしたウィル・パワーに

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
8月3日
天候:快晴
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チップ・ガナッシ、今シーズンようやく初勝利!

 最後尾22番グリッドからスタートしたスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が今シーズン初勝利を15戦目にしてようやく挙げた。ガナッシ勢にとってもこれは今季初勝利だ。2位はポール・スタートだったセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)のものとなったが、ディクソンはブルデイに5秒以上の大差をつけての圧勝を飾った。


 ウェットコンディションの予選では第1セグメントでコースオフするミスを冒したディクソンだったが、ドライセッティングでのマシンは万全のものに仕上げていたのだ。
 もちろん、最後尾スタートからの優勝には大きく運も味方していたが、自分に向いた流れをガッチリと掴んで結果に繋げる強さをディクソン、そしてガナッシは備えている。
 これでディクソンはミッド・オハイオ5勝目(2007、2009、2011、2012年に優勝)だ。そして、ガナッシ勢はミッド・オハイオ6連勝(ダリオ・フランキッティが2010年、チャーリー・キンボールが2013年に優勝)。
 3位は17番手スタートだったジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)。彼は最初のスタートで11個もポジションを上げた。「海が自分の目の前で真っ二つに割れて行った」と彼はレース後に表現していたが、ギリギリのスペースに飛び込んでのかなりリスキーなアタックだった。
 スタートで6番手に浮上したヒンチだったが、1回目のピット・タイミングは早目。先輩チームメイトのハンター-レイがスピンして出されたフルコース・コーションでピットしたのはブルデイ、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)らの上位陣と同じタイミングだった。そこからのレース後半戦でのチャージでヒンチは今シーズン初めて表彰台に手を届かせた。
 22番グリッドからの優勝は、もちろんミッド・オハイオでは最も後方からの優勝となったが、これがディクソンにとって最も後方グリッドからの優勝ではない。2001年、彼はナザレスで23番グリッドから優勝している。CARTシリーズへのデビュー・イヤーのこと。彼の初勝利がこれだった。あれから14年、ディクソンは今日キャリア34勝目を挙げ、通算勝利数はアル・アンサーJr.と歴代6位で並んだ。

佐藤琢磨、序盤アクシデントに巻き込まれた影響で18位に
  佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は1ラップ・ダウンの18位だった。スタート直後のアクシデントに巻き込まれてリタイアした2台を除く最下位に後退。フロント・ウィングを交換した後はトップと同一周回を走っていたが、セカンド・スティントを引っ張り過ぎたのか38周目にガス欠でコース上にストップ。完走はしたものの、ここでの1周の遅れを取り返せないままゴールを迎えた。

2 件のコメント:

  1. 冷静で落ち着いたスタートのディクソン、アクシデントも警戒、予測していたのかな?・・・琢磨は攻めの走りでないと気がすまないのかアクシデントに巻き込まれる。少し引いてレースすればもっと成績が良くなる感じがするんだけど、昔ホンダF1の木内さんが「毎回仕掛けてたら接触するよ」ってそんな感じの事、琢磨に言っていたなでもファイターの琢磨に今更アウトボクシング出来ないだろうし?そのまま行くしかないね。
    ガス欠はチームの失敗か?去年も良いポジション走っていてガス欠AJは去年とチーム力、レベルが変わらないし優勝、タイトル獲得するの難しいんじゃないの?

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  2. 御指摘の通り、スコット・ディクソンはスタートで順位上げようと考えてなかったみたい。上がれても20位ぐらいまでだし、どうせピット・タイミングずらす作戦だから慌てず……ってコトだったんでしょう。対する佐藤琢磨は、これまたおっしゃる通り。ノー・アタック/ノー・チャンスのモットーの通り攻め全開。ディクソンの隣りから発進した彼は、スタート直後に目の前を行くガナッシ・サテライトの2人をズバコンッとパスしたが、そういう時に限って目の前に大障害物が現れちゃうもの。原因を作ったのは大ヴェテランのトニー・カナーン様。雨の予選で3位はサスガだったが、ドライのスタートで縁石乗り上げてスピンと“らしく”なかった。

    ガス欠はチームの計算ミスでしょう。安全を見て1周前にピットする指示を出してたら、ディクソンと同じようにトップ・グループに大ジャ~ンプ! その後にポジションをどこまで保てたかは不明。マシンの仕上がり、今ひとつ良くなかったということなので。

    AJ・フォイト・エンタープライゼスのチーム力は去年より落ちてる印象。更に激化した競争により、戦力維持も並大抵の努力では無理に。優勝は益々至難となっているワケだが、そういう中でもデイル・コイン・レーシングは1勝挙げてマス。KVSHレーシングも1勝。エド・カーペンター・レーシングなんて1カーなのに3勝(!)

    フォイトでも複数優勝は可能と思う。でも、タイトルとなると難しいのでは? てか、1カー・チームのドライヴァーがチャンピオンになるコト自体が今じゃ無理なんじゃない? 2002年のサム・ホーニッシュJr.(パンサー・レーシング)が最後か。もう10年以上も前だ。それにあの年の彼ら、2レースでダン・ウェルドン起用してたから、ホントのホントのシングル・カー体制じゃない。おっと、フォイトもインディーでは2台目走らせて来てるか。

    フォイトには来年も琢磨を起用してもらって、その際には体制を2カーに拡大して欲しい。でも、コナー・デイリーとかマーティン・プラウマンとか、若手にチャンス与えてる場合じゃないと思う。AJはそういうの好きみたいで、それに意味がないとは絶対に言わないけど、今の彼らはできる限り実力の高い、経験も適度にあるドライヴァー2人でチーム力の底上げを図るべきだと思う。

    そこで、去年の佐藤琢磨ファン・ミーティングで私がファンの方からされた質問=「琢磨選手と誰を組ませてみたいデスか?」をみなさんに。お答え、メッセージでお寄せ頂けるとウレシーです。
    私は確かあの時、スコット・ディクソンとジョセフ・ニューガーデンあたりを挙げた記憶が・・・。ウィル・パワーとも言ったかな? 他にも・・・とか・・・なんかも良いかも。

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