2015年7月13日月曜日

2015 INDYCARレポート R12 ABCサプライ・ウィスコンシン250 Race Day 予選:ジョセフ・ニューガーデンが初ポールポジション獲得

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
高い路面温度への対処に成功したニューガーデン

 プラクティス1、プラクティス2でともに最速だったジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)が予選でも最速となり、キャリア初のポールポジション獲得を果たした。
 予選が始まった午後12時30分、気温は26℃とさほど上がっていなかったが、路面温度は昨日の31℃、今朝の36℃と比べて明らかに高い45℃まで上昇していた。この変化にどれだけ上手く対処できたかで勝負は決まった。


 ニューガーデンは15番目のアタッカーだった。すぐ前の14番目に走るはずだったエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は、ルールで定める時間内(スタート前15分)にマシンを列に並べることができなかったため、予選出走を許されなかった。ペンスキーらしからぬミスだ。
 かくしてニューガーデンのアタック順はひとつ繰り上がって14番手となった。彼が走る時、トップにはトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)の名前があった。ニューガーデンのすぐ前にアタックしたミルウォーキー2勝のベテランは、2周目に今週最初となる170mph台をマークし、2ラップ平均169.542mphでトップに立っていた。

「この調子でレースでもできれば優勝を」

 しかし、TKのトップは長くは続かなかった。すぐ次のアタッカーがその座を奪ったのだ。ニューガーデンは1ラップ目にTKの2ラップ目を上回る170.624mphをマークし、2周目は惜しくも170mphを割り込んだものの169.823mphで2ラップ平均を今日初めて170mphオーバーとなる170.223mphとした。
 「初めてのことだから、ポールポジション獲得は勿論嬉しいよ。チームにとっても素晴らしいことだと思う。スポンサーのディレクト・サプライにとっては地元のレースなので、彼らにとっても最高の予選結果を残せた。2回のプラクティス両方で最速だった僕らが予選でもトップ。こんなことは初めてだ。この調子でレースでも好成績、できれば優勝を飾りたい。そんな週末を実現できたら嬉しい。現実を見れば、250周と長いレースが一番難しく、やすやすと勝たせてはもらえないだろうけれどね」とニューガーデンは語った。


ブリスコー、チーム力でホンダ最上位の予選2位に

 予選2位はライアン・ブリスコー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のものとなった。チームメイトのジェイムズ・ジェイクスは、朝のプラクティスで6番手につける好調ぶりを見せており、予選でもTKにその座を奪われるまで169.317mphでトップに立っていた。そのジェイクスから情報を得たブリスコーは、1周目が169.437mph、2周目が170.739mphと今週の最速だった。





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 「レース展開によってはトラック・ポジションが非常に大事になるので、そのためにも予選で上位に食い込みたかった。それが達成できて嬉しい。チーム力の勝利だ。ジェイクスが速いしミュレーションを今朝行なえていたので、そのセッティングを基にマシンを作った。インディ、テキサス、フォンタナと一緒に戦って来て、チームとの融合が大きく進んだ。その成果が今日表れていた」とブリスコーは喜んでいた。

セイジ・カラム、予選3番手! チップ・ガナッシは4台がトップ10に

 予選3位はセイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)。ルーキーだが、インディライツ時代にミルウォーキーで優勝している彼は、先輩チームメイト3人からの情報にも助けられて2ラップとも169mph台で走った。彼のチームメイトたちは、TKが予選4位、チャーリー・キンボールが予選7位、スコット・ディクソンが予選10位だ。

 予選直前のプラクティス2で2番手につけていたカストロネヴェスが、予選アタックのチャンスを与えられずに最後尾グリッドに決定したチーム・ペンスキーは、彼以外の3人も苦戦を強いられていた。3人の中で最上位グリッドを手にしたのはファン・パブロ・モントーヤで、8位。昨年のミルウォーキーでポール・トゥ・ウィンしているパワーが予選15位で、フォンタナの予選で最速だったシモン・パジェノーは予選17位だった。

佐藤琢磨、「暑くなってマシンが滑っていた」

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は予選13位。1ラップ目は169.096mphだったが、2ラップ目が167.487mophと大きくダウンし、2ラップ平均は168.288mphだった。
 「暑くなってマシンが大きく滑っていた」と琢磨はコメント。「レースに向けても、この暑さに対応したセッティングをもう一度考えなくては」と足早にエンジニアとのミーティングへと向った。

 アンドレッティ・オートスポートは、マルコの予選9位がベスト。その他の3人は、ジャスティン・ウィルソンが予選15位、ミルウォーキー2勝のライアン・ハンター-レイが予選16位、カルロス・ムニョスは予選18位だった。
 不思議なのはエド・カーペンター(CFHレーシング)の不振ぶり。チームメイトがPPだというのに、エドは 23台出走中の22位(!)
 なお、これらの2チーム=CFHレーシングとアンドレッティ・オートスポートはアイオワ・スピードウェイでファイアストン・タイヤのテストを行なっていた。フォンタナと今回の間の、1週末のオフを利用してのことだ。彼ら以外は昨日がエアロキット装着でショート・オーヴァルを初めて走った。2チームには小さからぬアドヴァンテージが与えられていたと考えられなくもない。そのテストでニューガーデンは何か大きなヒントを掴み、マルコも何がしかのヒントを得て、それが今日役に立っていたのかもしれない。
以上

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