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Photo:Penske Entertainment |
トロントで伝統的な強さを見せるアンドレッティ・グローバル
今シーズン唯一のアメリカ国外イヴェント=カナダのトロントで開催されるオンタリオ・ホンダ・ディーラーズ・インディー・トロント。
トロントでのインディーカー人気は高い。それはCART主催時代の1986年から、ほぼ休みなしでレースを開催し続けて来ているから(チャンプカーがIRLに統合された2008年と、パンデミックの2020、2021年はレースなしだった)。
初レースのウィナーはボビー・レイホールだった。マイケル・アンドレッティは7勝=イヴェント最多。ダリオ・フランキッティが3勝。トロント近郊出身のポール・トレイシー、アル・アンサーJr.、セバスチャン・ブルデイが2勝している。現役勢ではスコット・ディクソンの4勝が最多で、ウィル・パワーが3勝。ジョセフ・ニューガーデンが2勝。最近のウィナーは、去年がコルトン・ハータ。一昨年がクリスチャン・ルンドガールド。は3年前はディクソンだった。
去年はカイル・カークウッドが2位でアンドレッティ軍団の1-2フィニッシュ。3位はディクソンだった。
一昨年の2、3位はアレックス・パロウとハータ。
PP獲得回数は、現役だとハータ、ディクソン、パワーが2回で並んでいて、最多はフランキッティによる5回。次がブルデイの4回。エマーソン・フィッティパルディが3回。マイケル・アンドレッティは7回も勝っているが、PP獲得は意外や1回だけだった。
去年のポール・ポジションはハータで、一昨年はルンドガールド。どちらもポール・トゥ・ウインだった。一昨年のPPはハータ。
昨年の予選までの流れをチェック!
去年をもう少し細かに振り返る(チーム名は今年と違うケースだけ表記)と、
予選=Q1のグループ1は、
1 カークウッド
2 スコット・マクロクリン
3 クリスチャン・ラスムッセン
4 フェリックス・ローゼンクヴィスト
5 デイヴィッド・マルーカス(MSR)
6 ニューガーデン
ディクソンが8位で敗退。
Q1グループ2
1 パワー
2 マーカス・エリクソン
3 ハータ
4 グレアム・レイホール
5 ロマイン・グロジャン(JHR)
6 アグスティン・カナピーノ(JHR)
オーワード=7位、ルンドガールド=8位、パロウ=9位と、JHRの奮闘があってメジャーどころが3人もQ1で敗退!
Q2
1 ローゼンクヴィスト
2 カークウッド
3 グロジャン
4 ハータ
5 マクロクリン
6 マルーカス(MSR)
グロジャンがファスト6に進み、ニューガーデン=7位、
パワー=9位で敗退。
Q3
1 ハータ
2 カークウッド
3 ローゼンクヴィスト
4 マクロクリン
5 グロジャン(JHR)
6 マルーカス(MSR)
Q3でハータが覚醒。カークウッドとアンドレッティのフロント・ロウ独占を達成。
アンドレッティと提携するMSRのローゼンクヴィストが3位。
気になる週末の気温はマイルドになる予想
今シーズン、インディーカーがレース訪れるエリアは涼し目のコンディションになることが多い。今週末のトロントもそのパターンとなりそうだ。現在出ている予報だと、最高気温は金曜日が23℃、土曜日が25℃、日曜日が27℃! 1日ごとに気温は上がるが、かなりマイルドな陽気の週末となりそうだ。実は、去年もそんなコンディションだった。レース中の気温は25〜27℃だった。トロントもミッド・オハイオと同じく暑くなるレースというイメージが強いが……。
ハータ、得意のコースで低迷脱出を図れるか?
去年のレースが行われた時、NTTインディーカー・シリーズはすでにハイブリッド・システムを採用していたので、今年はエアロ・パッケージもタイヤも去年と同じものでの戦いとなるはず。ということは、予選でも決勝でも1、2位を占める強さを発揮したアンドレッティ・グローバル勢が今年も速いのだろうか? カークウッドは今年のストリート×2戦で優勝しているし(ロング・ビーチとデトロイト)。元・親玉のマイケル・アンドレッティが圧倒的な成績を残したトロントのストリートで、ハータは何としても復活を遂げたい。今年は不運やミスでまったく成績を出せていないに近いが、昨年優勝しているコースでどこまでハイ・レヴェルな戦いを見せるか。このまま低調でシーズンを終えるなど、本人が絶対に受け入れられないだろう。
揺るぎそうにないホンダ勢の優位
去年はホンダ勢の1-2-3-4-5-6-7フィニッシュだった。アンドレッティ勢の後ろの3、4、5位はチップ・ガナッシ・レーシングのディクソン、パロウ、マーカス・アームストロングだった。そして、6、7位は今年はシヴォレー陣営で走っているデイヴィッド・マルーカス(メイヤー・シャンク・レーシング)とクリスチャン・ルンドガールド(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が入った。
シヴォレー苦戦の第一要因は、チーム・ペンスキー勢の不振。トロントでの彼らはトップ10にひとりも入れなかった。崩壊はしていないが、”かなりの低迷ぶり”と表現して良い苦境に昨シーズンの時点で既に陥っていた彼らは、今年は更に厳しい戦いを強いられている。
ペンスキーの代わりにアロウ・マクラーレンが奮闘しているといえばしているが、まだ1勝を挙げたのみ。シヴォレー勢の苦しい戦況は、トロントでは大きく変わることはないだろう。高回転域を保って戦うオーヴァルでは優位にあるシヴォレー・エンジンだが、ドライヴァビリティが武器となるストリート・コースではホンダ・エンジンにアドヴァンテイジあり。燃費性能でもホンダが優っている。
シヴォレー勢で活躍が期待されるエド・カーペンター・レーシングの2人
トロントで期待のできるシヴォレー勢の筆頭はマクラーレンだが、エド・カーペンター・レーシングも活躍の予感アリ。近頃の彼らのレヴェル・アップぶりは素晴らしい。クリスチャン・ラスムッセンの方が目立っているが、アレクサンダー・ロッシの加入とエンジニアリングの強化の相乗効果でチームのレヴェル・アップしたのは間違いない。コース・タイプに関係なく昨年よりも上位で戦えているところがいい。
その一方で、ロードコースで速さを見せてきているレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、デヴリン・デフランチェスコは地元でのレースとなるが、トロントでのパフォーマンスはどうか? デイル・コイン・レーシングのリナス・ヴィーケイの走りも好走を見せそうだ。
以上
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