2013年6月11日火曜日

2013 INDYCARニュース 6月9日:ル・マンに遠征したライアン・ブリスコー

Photo:Level 5 Motorsports
テキサス戦の週末、ライアン・ブリスコーはルマンのプラクティスに 

  ル・マン・テスト・デイ=公道を使うコースを封鎖して行われる貴重なプラクティス・デイが、この週末には行われてました。もちろん、フランスで。
 ライアン・ブリスコーは伝統あるル・マン24時間レースに今年初出場する予定なので、この遠征はマストなんです。ル・マンではテストでの10ラップ走行をルーキーの出場許可の条件としているので。

 今年は記念すべき第90回目の開催。ブリスコーが乗るのは、アメリカのレベル5モータースポーツというチームのLM P2マシン。HPD ARX-03bです。HPDは、インディーカーのホンダ・エンジンを作っている、あのHPD=Honda Performance Development。
 レベル5はアメリカン・ル・マン・シリーズのLM P2クラスの昨年度チャンピオンで、今シーズンも伝統のセブリング12時間レースから開幕3連続でクラス優勝を記録してきてます。ブリスコーもその活躍の一翼を担ってきたわけですね。
 チームとしてのル・マン挑戦は、今年が3回目。これまでのベスト・リザルトは2011年のLM P2クラス3位です。近頃のLMP2はやたらと競争が激しくなってますから、そうそう簡単にトップ3フィニッシュはできません。去年のル・マンでLM P2クラス優勝したのは、他のチームのHPDマシンでしたけど……。

ル・マン本戦出場は1台だが、テストには2台のマシンをエントリー

 ブリスコーのチームメイトたちは、チーム・オーナー兼ドライバーのスコット・タッカー、ダリオ・フランキッティの実弟でスポーツカーで活躍してきているマリーノ・フランキッティの2人です。
 レベル5は今年もル・マンに1台を出場させますが、今週のテストには2台をエントリー。1台は、何もなければオーナーのタッカー様専用! より多くのプラクティスが必要なオーナー兼ドライバーが好きなだけ走れるメリットに加え、新しいミシュラン・タイヤの数種類あるコンパウンドの評価、様々なマッピングでの燃費チェックといった使命がこちらのマシン&ドライバーには与えられるんだそうで、決して金満オーナーが本物のル・マンのコースを専用マシンで存分に堪能……っていうコトではないようです。
 同じマシンが2台あれば、1台にトラブルが出たとしても残る1台でテストが可能。2台を走らせるメリットは大きいんです。もちろん費用は余計にかかりますけどね、倍とはいかないまでも、それなりに。
 それでも、ル・マンのテストって1日だけですから。走行時間も8時間こっきり。去年の彼らはテストで燃料タンクにトラブルが出て、2台目があったから走行&データ収集が行えた。それで今年も2台なんです。アクシデント発生の場合でも、持ち込むスペアパーツ群に加え、1台分のフルのパーツを一緒に遠征させているようなものですから、最悪の事態に陥る可能性を限りなく小さくできてるワケです。


激戦区のLM P2、今年はイギリスのチームからコンウェイも参戦
 マシンの説明も少々必要ですかね。シャシーはHPD製のカーボンファイバー・モノコックです。LM P2はプライベティア用クラスで、HPD以外にもローラやオレカなど、シャシーを製作・販売しているところがあります。レベル5の使うエンジンは、これまたHPD製です。排気量は2.8リッター、ダイレクト・インジェクションのV6ツイン・ターボで、最大出力は450HPプラスということになってます。ライバルはニッサン、ジャッド、ロータス。
 去年に続いて20台以上がエントリー。LM P2クラス、かなり競争が激しいです。初挑戦のブリスコー、どんなリザルトを獲得できるでしょう。
 で、61台もが走ったというテストデイでしたが、天気が悪く、ドライコンディションで走れた時間帯は限られてしまったそうです。レベル5としては「2台で1,000マイル走っちゃうぜぃ!」と鼻息荒く意気込んでってたんですが、走れたのはその半分弱……。それでも初出場のブリスコーはコースを覚え、ルーキー出場の資格を得る10ラップをこなし、レベル5の3人のドライバーの中でベストとなる3分45秒158のべストをマークしました。
 あ、同じLM P2にイギリスのチームからマイク・コンウェイも出場してます。マシンはオレカ03・ニッサン。ブリスコー同様にルーキーです。

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿