2013年6月12日水曜日

2013 INDYCAR ニュース第8戦テキサス 6月11日:チーム・ペンスキーのテキサス優勝マシンに車両規則違反発覚! その発表が火曜日までずれ込んだ理由は? そしてエントラントにだけ罰金&ポイント剥奪という裁定もおおいに不透明!!

ぶっちぎりの勝利から2日半、事態は一転、疑惑の勝利に Photo:INDYCAR(John Cote)
カストロネベス車の車検違反が火曜日になって突如発表に
しかし、ドライバーは優勝のまま!?


 6月11日、火曜日。インディーカーがテキサスでのペナルティを発表した。レース後の車検を優勝車、チーム・ペンスキーの3号車が通らず、35,000ドルの罰金支払いと、エントラント・ポイント15点が剥奪されることになったというのだ。
 罰金は結構高いが、ドライバーは優勝のままだし、ドライバーはポイントもまるまる貰える。チームは15点もマイナスされるのに? かなり理解に苦しむペナルティだ。
 レースが終わって車検を行なったら、優勝車の一部分がルールに合っていなかった。それは失格とか降格とか、それぐらい厳しい判定を受けるべきもののはずだ。しかし、

1) インディーカーは現場で解答を出すのを怠けた。
2) インディーカーは違反があったとわかったのにそれを隠した。
3) インディーカーは裁定発表を3日も後の火曜日に行った。
 

 車検を通らなかったマシンが優勝のままなのは理不尽では? インディーカーは車検の後の2日半に何をやっていたのか。罰金を幾らにするかで悩んでいたのか? それとも、ポイントをどれだけ奪い取るかを検討していた?

さらに理解に苦しむチーム・ペンスキーの弁明

 この決定に対し、チーム・ペンスキーはすぐさまリリースを出した。社長のティム・シンドリックが、「この土曜日の夜にテキサスで行われたインディーカー・レースの後、私たちの3号車が車検を通過しなかっとことに関して、とても失望しています。ディフューザーの出口高が7,600インチであるべきところ、私たちのものは7.575インチでした。レース前の車検を終えてから私たちはディフューザーの後端を固定するブレースを締め忘れたようです。しかし、エリオのマシンがレースをしていた状態は、何のアドバンテージももたらしていませんでした。ディフューザーの高さは、実際にはドラッグを増やさせ、ダウンフォースを減らさせるものだからです。今回のケースがそうであったことを証明するため、私たちは月曜日の朝に風洞でテストを行いましたが、その結果、3号車はアンダーウィング用のブレースを締めていた場合に比べ、ダウンフォースが3パウンド少ない状態で、ドラッグが1パウンド多かったと判明しました」との声明を出したのだ。

あくまで意図的ではないことをアピールするペンスキー

 この声明は半分以上が胡散臭い。論点をすり替えようとしている点が特に。「アンダーウィングの高さは7.600インチ。プラス0.050インチとマイナス0.000インチの誤差の範囲で」というのがインディーカーのルールだ。そこを敢えてシンドリックはボカシている。ルールは「7.6000インチより低いとルール違反」とハッキリ読める。規定より低いとダウンフォースが減り、ドラッグが増えるというセオリーをシンドリックは声明内で紹介しているが、ではなぜルールは7.6000インチより高い方には誤差を許し、低い方には一切許していないのか。
 「月曜の朝に風洞でテストをして……」という部分にもまったく説得力はない。望む結果を得るために、彼らが問題の部分以外に細工をすることも当然考えられるからで、違反を犯したチームの実験結果に信憑性はない。
 さらに、「有利になってなかったんだから不問にして」と、話を交渉ごとに向わせている点が何よりもおかしい。そこがポイント=論点じゃない。


カストロネベス号がぶっちぎりだった理由が
マシンのどこかに隠されているのか??

 ルール違犯をして有利を得る者が出ないようにする。それがルールの目的……という考え方には確かに一理あるが、それを言い出したらキリがなくなってしまう。ルールに合致しているか否か。そこが重要視されるべきなのだ。そして、テキサスでの3号車はルールに合っていなかった。
 「ダウンフォースが少なくて、ドラッグは増えていた」と彼らは主張しているが、そういうマシンが最も速かった。ブッチギリの速さだった。それはどんな原因によってだったのだろう? 何かアドバンテージを得ていたのでは? 何かみんなが見つけていない秘密がデュフューザー出口の高さ設定にはあるのでは??
 いずれにせよ、スポーツではみんなに同じルールが適用されるべき。そこをインディーカーは厳格にしなくてはならない。ルールに合っていないマシンには厳しい措置を取る姿勢を見せなければならない。
 今回の件では、罰金の額も、取り上げられるポイント数も一体どういう基準で決められているのか、まったくもってわからなかった。透明性もなさ過ぎる。
 罰金はナシにしてもいいので、カストロネベスのドライバーズ・ポイントは剥奪されるべきだと思う。
以上

2 件のコメント:

  1. また、ペンスキー?って感じですね。
    NASCARのブラッド・ケセロスキーの2号車が今年になって2回車両違反でペナルティーになっています。4/13のテキサスと6/2のドーバー。どちらのケースもチームへのペナルティーの他に、ドライバーポイントも減点されています。ブラッドの場合、合計で31ポイント。昨年ほどの勢いのないペンスキーNASCARチーム、このポイントがチェイス進出に影響するのではないでしょうか。
    IndyCarではチームのミスであって、ドライバーのミスではないからドライバーポイントは減点・剥奪しないと考えているのでしょうか。「モータースポーツはチームスポーツ」のはず。おかしいですね。
    それにしても、NASCAR,IndyCarともに同じテキサスで車両違反とは・・・ティム・シンドリックも相当焦ったことでしょう。

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  2. ペンスキーの違犯、NASCARとINDYCARの両方で発覚……しかも、どちらもがテキサスで……というのは珍しいケース。NASCAR技術部門の現在の親玉は元ペンスキーのクルーチーフというのは、何の因果なんでしょう。

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