2011年8月25日木曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R12 ニュー・ハンプシャー:プロテストの行方 その6 審議委員の選び方にも疑問

表彰式でプレゼンターを務めたギャッペンス。
Photo:Naoki Shigenobu
 今回の抗議に対し、バーンハートは担当者を選んで審議を行うことと決めた。「私がレースコントロールという職にあったことから、抗議のヒアリングは独立したパネルを作り、彼らが事態の解決に当たるのがベストと考えた」という。この考え方自体は真っ当だが、彼が選んだパネルには疑問符がつく。

 選ばれた3人というのは、ジェリー・ギャッペンス(=ニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイのジェネラル・マネジャー)、ローリー・ヘルムリング(=元United States Auto Club社長で、現在もワールド・オブ・アウトローで審議委員)、ジェフ・ストゥープス(現USACチェアマン)。彼らによって水曜日=8月23日にヒアリングは開催される。

 ギャッペンスというのは、問題となっているレース直後に自ら会見を開き、バーンハート全面擁護の演説をぶった人だ。そして他のふたりはUSAC関係者だが、USACのレースでは、フルコースコーションとなった時、最も最近のグリーンフラッグ時の順位に戻るというルールがある。全車にトランスミッターを搭載し、コース上でのポジショニングを常にモニターするなどということが不可能だからなのだが、今回のケースに彼らのルールを当てはめると、バーンハートの下した裁定(リスタート前の順位に戻る)と同じになる。ディクソンも言っていた。「これまでにレースを遡って結果が決定したことってあっただろうか? USACじゃないんだから、リスタート前まで遡った順位にして、なんてことはしないし、ペースカーランを勘定しないというのも過去のインディーカー・レースであっただろうか? 私の知っている10年間では一度もない」。
 そもそも、今回のパネルを選ぶのがバーンハートだという点がおかしい。「バーンハートの決定はルールにのっとっていない誤ったもの」というのが今回の抗議なのだから。裁かれる決定を行った人間が、その件を裁く審議員を選ぶなんてナンセンスだ。

 ギャッペンスがあの会見を開いていなかったら、レース開催サーキットの長として認められた人選だったろうが、あの会見の後では、彼に審議員になる資格はないだろう。
 今回のバーンハートによる判断ミスが起こったのは、サーキット側から「初開催だし、今回は何としてでもグリーンでのゴールにしてくれ」というプレッシャーがそれとなく、あるいは明快に出されていたためではないか(……上記のギャッペンスによって??)。あるいは、「グリーンでのゴールとなるのが理想」とバーンハート自身が強く思い込み過ぎていたのかもしれない。

続く

0 件のコメント:

コメントを投稿