2011年10月17日月曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント95 第17戦 IZOD インディーカー・ワールドグランプリ・アット・ラスベガス 決勝「シーズン最後のレースを力強く戦いたかったですが、今シーズン最後まで満足のいくリザルトを残せなかったことは悔しいです。ただ、チームも含めてすごくポテンシャルを示せたという点では3年目への手ごたえを感じています」

ラスベガスで少年ファンにサインする琢磨
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
インディーカー2年目はランキング14位でシーズンを終了
 不幸なアクシデントが発生し、ダン・ウェルドンが亡くなった。悲しく、辛いラスベガスでの最終戦となってしまった。フィニッシュ順位によってはファイナル・ランキングでのトップ10入りも可能だった佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)だったが、最終戦がキャンセルとなったため、デビュー2シーズン目はランク14位で終えることとなると見られる。レース直後、サーキット全体が悲嘆に暮れている中だったが、琢磨選手に自らのシーズンを振り返ってもらった。

自分自身がもっと前進できるように頑張っていきたい
Jack Amano (以下――):今シーズンを振り返ってください。2回のポールポジションがありました。不幸なアクシデントの直後で申し訳ないのですが、自己評価はどのようなものになるのでしょう?
佐藤琢磨:まぁ、そうですねぇ……後はこういう形になったので何とも言えないんですけど、一個前のケンタッキーでのレースがね、スピードが伸びないマシンであったけれども、ドライバーとしてできる部分でのオーバルでのパフォーマンスは見せることができたと思います。今日はクルマも大分スピードを上げて行けていたので、シーズン最後のレースを力強く戦いたかったんですけどね……。最後まで満足の行くリザルトっていうのを残せなかった点はすごく悔しいです。チームも含め、すごくポテンシャルを示せたシーズンにできていたと思いますので、今年の経験や勢いを是非とも3年目に繋げたいなという風に希望しています。
――こんな時ですが、ファンへの言葉とか、ありますか?
佐藤琢磨:シーズンを通してずっと応援をしてくれたファンの皆さん、そしてスポンサーの方々にはとても感謝しています。今シーズンは、去年はできなかったような走りが自分でもできるようになったし、非常に自分自身としても期待値が上がるレースができたので、そういう走りができたことは本当に幸せでした。今年は日本で大きな震災があって、大変な時代になっていますが、そんな中でもレースをして、最後のインディ・ジャパンもしっかりとイベントとして行うことができて、すごく良いシーズンだったと思います。後は、自分自身がもっと前進できるように頑張って行きたいと思います。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント94 第17戦 IZOD インディーカー・ワールドグランプリ・アット・ラスベガス 決勝 「トラックはバンクが急でコーナーの半径が大きいので、集団で走っても3ワイドになりやすい面はありました。実際に、何がどういう状況で多重アクシデントに繋がってしまったのかは、僕もまだリプレイを見てないし、事故自体が僕より後ろで起きたのでわからないんですけど、お互い非常に接近してたので、こういう事故になってしまったのかな、とは感じます」

ウェルドン追悼のためのパレードラップを走る琢磨(左手前)
Photo:INDYCAR(SはwんGritzmacher)
好感触だったレース序盤。その直後にアクシデントが

 予選16位から走り出した佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー・ロータス)は、マシンに好感触を得ていた。アンダーステア傾向はあったが、ピットでのセッティング変更などで対応可能な手応えをつかんでいたのだ。しかし、わずかに10周を走っただけで多重アクシデントが発生。名手ダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポート/サム・シュミット・モータースポーツ)が帰らぬ人となってしまった。レースは赤旗中断から終了、すなわち不成立となった。アクシデントに遭わず、まだ走れる状態にあったマシン郡がウェルドンに哀悼の意を示すために5周回のパレード・ラップを行った。ピット・ロードにはチームのクルーたち、ホンダやファイアストンのスタッフ、そしてファンが並び、5周を見守った。

Jack Amano(以下――):事故後にインディーカーがドライバーたちを集めたミーティングを行っていましたが、そこでは何が話し合われた、あるいはインディーカーから何かが告げられたのでしょうか?

佐藤琢磨:まずは正確な状況を伝えてもらって、その上に立って、どうするべきかというのを話し合いました。まぁ、ドライバー同士の決め事と、主催者を含め、どうするのがベストなのか……ということで。そして、ダン・ウェルドン選手への追悼の意を表するためのパレードを行なって、レースというか、シーズンを終えようということが決まりました。

――そうした決断にはドライバー側から何らかのインプットがあったのでしょうか?

佐藤琢磨:まぁ、レースをするべきだっていくことと、止めるべきだという話があって、レースをするなら、とにかくクリーンなレースをしなければいけない。いろいろなシナリオがありましたけど、最終的には追悼パレードに決まりました。

――アクシデントまで10周プラス、非常に短いレースでしたが、佐藤選手はどういう戦いぶりになっていたのでしょう? また、そこまでのレースをどう感じていたのでしょうか?

佐藤琢磨:そうですねぇ、スタートから長いレースになることはわかっていましたし、ずっと集団で行くのもわかっていたので、無理をせず、ただ、お互い接近をしている状態だったのでね、レース自体は非常にエキサイティングだったんですけど、僕自身も少しずつ、周回ごとに順位を上げて行って、クルマの調子も集団の中でとても良さそうだったし、前を追って行くことは十分だという手応えをつかんでいました。

――今までのレースとは違ったリスクは感じていましたか?

佐藤琢磨:ウーン……確かにトラックはバンクが急でコーナーの半径が大きいので、本当に集団で走っても3ワイドになりやすい面はありました。僕も今日、3~4回、3ワイドになることがあったんだけれども、お互いにリスペクトしてポジションをしっかりホールドして……タフだけれどもクリーンなレースができていました。実際に、何がどういう状況で多重アクシデントに繋がってしまったのかは、僕もまだリプレイを見てないし、事故自体が僕より後ろで起きたのでわからないんですけど、お互い非常に接近してたので、こういう事故になってしまったのかな、とは感じます。

――これまでにもインディーカー・シリーズでは不幸な事故が起きてきましたが、琢磨選手が参戦するようになってからは初めてと思います。ウェルドン選手に対して、あるいは御家族に対しての言葉はありますか?

佐藤琢磨:本当に辛いです。ダン選手はもちろんインディーカーに来る前から、彼はイギリス人で、僕はイギリスF3をやってたこともあって、まるで繋がりがないってことじゃなかったし、500のウィナーとして今年も力強いレースをしていて、家族もまだ本当に小さな子供が二人いて、非常に辛い状況だと思います。御冥福を御祈りします。本当に残念ですけど、今日こうしてパレードを行うことで、このレース自体は終えることができたし、ダン・ウェルドン選手にとっても、残された家族は辛いですけど、まずは一区切りになるのかな、と思います。これからドライバー同士ででき得るサポートっていうのは、これから何があるのかわからないですけど、最大限、彼の家族のサポートをして行きたいと思います。

2011 INDYCARレポート 第17戦 IZODインディーカー・ワールドグランプリ・アット・ラスベガス決勝:ダン・ウェルドン、ラスベガスに死す

クラッシュを逃れたマシンで行われた5周のウェルドン追悼ラップ。
これほど悲痛なインディーカーの走行がかつてあったろうか。
ダン・ウェルドンに謹んで哀悼の意を表したい。
Photo:INDYCAR(LAT)
偉大なるオーバルレーサー、ダン・ウェルドン ラスベガスに死す
 ラス・ベガス・モーター・スピードウェイでスタートが切られた2011年インディーカー・シリーズ最終戦は、11周目のターン2で多重クラッシュが発生し、15台が巻き込まれた。このアクシデントで大きく宙を舞に舞い上がり、セイファー・ウォールに激しく突っ込んだのがウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・サム・シュミット・モータースポーツ)で、パワーは無事だったが、ウェルドンはヘリコプターで搬送された病院で死亡した。
 レースは事故直後に赤旗となり、そのまま終了。ウェルドンを追悼する目的でアクシデントに遭わなかったマシンが1列3台ずつ並んで5周の走行を行なった。
 最終戦は成立しなかった。インディーカーから正式な発表はまだなされていないが、シリーズ・タイトル、ポイント・スタンディングは第16戦ケンタッキー終了時点でのもので決定することになるはずだ。
 ウェルドンは1996年にインディー500で初優勝し、今年2勝目を挙げた。シリーズタイトルはインディーで最初に勝った96年に獲得している。今日のレースに出場していたドライバーの中でもオーバルレーサーとしての評価はトップ・レベルにあったのだが……。偉大なるレーサーの冥福を祈る。

2011 INDYCAR レースプレビュー R17 ラスベガス:大量34台がエントリー、新しいスポンサーも登場。琢磨車にはベガスの有名ホテルがスポンサード

INDYCAR.com
 いよいよ、最終戦の決勝、このダラーラも見納めですねぇ。現役が9年間も続いた前代未聞の長寿レーシングマシン。コクピット前の盛り上がり、プルロッドのフロントサスペンションが特徴的なマシンでした。ライバルのGフォース=パノスを完全に駆逐する性能があったことで、シリーズの思惑は外れてシャシーがワンメイクになってしまいました。来年からはもっとスリックなダラーラに変わります。