2020年7月18日土曜日

2020 INDYCARレポート R5 アイオワ インディーカー 250 RACE1 決勝:シモン・パジェノーが最後尾23番グリッドから今季初勝利



トラブルで予選走行出来ず、最後尾スタートからの優勝を遂げ、パジェノーはポディウムで喜びを爆発させるPhoto:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
喜ぶパジェノー「どうやってトップまで上り詰めることができたのか
自分でも完全に理解してはいない」

 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)がしぶといドライヴァーなのは、インディーカーの世界では誰もが知っている。シュミット・ピーターソン・モータースポーツで走っていた頃から、粘りに粘るレースを何度も見せてきている。フランス出身だがオーヴァルの走りにも長けており、2周遅れからリード・ラップに復活する走りを見せたこともあった。そんなパジェノーだが、まさか最後尾の23番手グリッドから優勝を飾るとは!
Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 「難しいコースだけれど、最高の夜になった。チーム全体の力でロード・アメリカの苦境から立ち直った。アイオワの予選はトラブルで走れないこととなってガッカリしたが、絶対に諦めないのが僕らのチーム。マシンが素晴らしく、シヴォレー・エンジンはとてもパワフルだった。燃費も良かった。しかし、自分でもどうやってトップまで上り詰めることができたのかを完全に理解してはいない。レースをヴィデオで見直したい。最後の50周はハードな戦いだった。ディクソンに追いかけられる展開になったら、走行ラインをちょっとでも外れたらパスを許してしまう」とパジェノーは語った。

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  8分の7マイルのショート・オーヴァルのグランド・スタンドでは、ファンがソーシャル・ディスタンスを保って観戦していた。販売されたシートは、一つのグループは3~4人が一緒に座ってよいが、他のグループとは前後に数列、左右にも数席の間隔を持って座るようにされていた。COVID-19の感染が治らない限り、これがニュー・ノーマルのレース観戦スタイルということになるのだろう。

ディクソンも予選18番手から2位でフィニッシュ

ルーキーのアスキュー、堂々3位に
第1スティントで14,5番手争いをしていたパジェノーディクソンは、いつの間にかレース終盤トップ争いに。ラストはディクソンが仕掛けきれず Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 さて、4戦を終えてポイント・スタンディングで3番手につけていたパジェノーは、今日の優勝で大量ポイントを手に入れた……のだが、ポイント・リーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が、18番手スタートからパジェノーとほぼ同じパフォーマンスを見せ、彼のすぐ後ろの2位でフィニッシュ。差を大きく縮めることは叶わなかった。

136周目に2回目のピットを済ませ、猛然とポジションアップを図っていたパワーだったが、何の前触れもなく左前輪が脱落するという恐ろしいトラブルでクラッシュ。144周目にこのレース初のフルコースコーションに Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 不運なのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)。トラブルが原因と見られるクラッシュで21位。2度目のタイトル獲得には早くも黄色信号点灯だ。

アンダーイエローの156周目、リスタートを焦ったのかハータがヴィーケイに追突。ハータのマシンは宙を舞ったが、幸いにもドライバー二人は無事。イエローは169周まで延びて戦局を動かすことに Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  3位にはルーキーのオリヴァー・アスキュー(アロウ・マクラーレンSP/シヴォレー)が入った。先週は彼のチームメイトのパト・オーワードがキャリア初PPを描く特使、初表彰台に上った。そして今週は、ダブルヘッダーの最初のレースでアスキューがキャリア初の表彰台をデビューから5戦目で射止めた。
 

レース終盤にロッシをパスして、アロウ・マクラーレンSPが3-4位フィニッシュ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
  オーワードは最後の最後でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)をパスして4位フィニッシュ。マクラーレンはルーキー2人をトップ4に揃って入賞させた。

 5位フィニッシュはニューガーデン。作戦が嵌らなかったために表彰台にも届かなかった。
 6位はロッシ。辛抱強い走りで3位フィニッシュを果たすかに見えたが、最後の最後で失速した。

 7位はジャック・ハーヴィー(メイヤー・シャンク・レーシン/ホンダ)。フル・シーズン参戦は今年が初めてのハーヴィーと新興チームの組み合わせはコンスタントに上位で戦ってきている。
 8位は初PPからスタートしたコナー・デイリー(カーリン/シヴォレー)。9位はマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)だった。


佐藤琢磨、49周トップを走行! 

レース2に向け手ごたえ十分な連続トップ10フィニッシュ
1回目のピットインでマシンのアジャストに成功した佐藤琢磨は、第2スティントで快走! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は6位スタートからトップを走ったが、最終的な順位は10位で、第2戦から5戦連続のトップ10フィニッシュとなった。156周目のリスタートでコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポー/ホンダ)がルーキーに追突し、2台ともクラッシュ。ここで出されたフルコース・コーションが長かったことから、上位フィニッシュした多くのドライヴァーたちは、もう一度入る予定だったピット・ストップを行わずにゴール。琢磨らピットをもう1回行ったドライヴァーたちは順位を下げてのフィニッシュとなった。
 「今日は予選からレースへ、マシンをいじってはいけないルールだったので、予選は苦しいことになっても、レースでのマシンは良いものになると考えていました。そして、その通りになりましたね。1回目のピット・インを早めにして、どんどんパスして前に出て行くことができました。あれはとても気持ちが良かった。明日は、みんなが今日のデータを参考にしてマシンを速くしてくるだろうから、今日良かったからといって安心してはいられないですね。明日はスターティング・グリッドも今日より後ろになりますし」と琢磨は話していたが、トップを走ってもトラフィックでも速いマシンで戦えた手応えは大きなものがあったようだ。
以上




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